【森友文書問題】「官邸周辺の関与なかった」根拠を示せ!←えっ?
昨日(2018/03/27)の衆参予算委で行われた前理財局長佐川氏の証人喚問に関し、NHKが各党の主な議員にコメントを取ってまとめていました。
そして、日を改めた今日の各紙朝刊では社説でこのことを取り上げているようです。
が、またもや「総理のご意向」文書と同じ様相を呈しています。
そのことを書く前に、質疑時間の配分について、昨日のプライムニュース(BSフジ)で小耳に挟んだことをメモしておきます。
「野党の質疑時間が少ない!」-民進党が分裂したのが悪い
これは、番組の最後に紹介される視聴者からのメールで質問、というか、自民党の出演者(菅原一秀衆議院議員)への苦言だったのですが、菅原氏によると、衆議院では与野党で1時間ずつと決まっていたのだそうです。
そこで、改めて質問者リスト(下)から計算してみると、確かに衆議院は与野党1時間ずつで、参議院の方は与党45分、野党55分で野党の方が多いのです。
野党内の時間割は筆頭理事(第1党の代表)の裁量で、衆議院では立憲民主党の辻元清美氏です。そして、内訳を見たら、61分の内、元民主党で49分と、ほとんどを占めているのです。そのために、共産党や日本維新の会などは割を食った形です。
ちなみに菅原氏によると、籠池氏の喚問の時は、民進党は40分くらいの質疑時間だったそうで、自民は35分だったそうです。
参院予算委員会 質問者と質問時間: 与党:45分、野党:55分(内、元民主:33分)
09:40-09:48 金子 原二郎(委員長)
09:48-10:18 丸川 珠代(自由民主党・こころ) 30分
10:18-10:45 小川 敏夫(民進党・新緑風会) 27分
10:45-11:00 横山 信一(公明党) 15分
11:00-11:12 小池 晃(日本共産党) 12分
11:12-11:22 浅田 均(日本維新の会) 10分
11:22-11:28 森 ゆうこ(希望の会(自由・社民)) 6分
11:28-11:34 福山 哲郎(立憲民主党) 6分
11:34-11:40 薬師寺 みちよ(無所属クラブ) 6分
衆院予算委員会 質問者と質問時間: 与党:60分、野党:61分(内、元民主:49分)14:00-14:10 河村 建夫(委員長)
14:10-14:45 石田 真敏(自由民主党) 35分
14:45-15:10 竹内 譲(公明党) 25分
15:10-15:32 逢坂 誠二(立憲民主党・市民クラブ) 22分
15:32-15:53 今井 雅人(希望の党・無所属クラブ) 21分
15:53-15:59 江田 憲司(無所属の会) 6分
15:59-16:05 宮本 岳志(日本共産党) 6分
16:05-16:10 丸山 穂高(日本維新の会) 6分
証人喚問後の各党の声
さて、ようやく本題ですが、NHKのサイトに上がっていた各党の声で典型的なのが共産党の志位委員長。
佐川氏証人喚問 各党の反応は
NHK 3月27日 18時04分
共産 志位委員長「疑惑の当事者の国会招致を」
共産党の志位委員長は記者会見で、「改ざんの核心部分について、捜査の問題を過剰に強調して答弁を拒否する、不誠実極まるものだった。『総理大臣官邸や安倍総理大臣夫妻の指示が無かった』とくり返したが、根拠を示すことができず、疑惑はいっそう深まった。安倍総理大臣夫人の昭恵氏や迫田元国税庁長官ら疑惑の当事者の国会招致を行い、徹底的な真相究明と責任の追及が必要だ」と述べました。
“指示がなかったことの根拠を示せ!”って、“総理のご意向が影響しなかった証明をしろ!”と言ってた加計学園の騒動の時と一緒で、『悪魔の証明』をせよってことですよね。
見るまでもないですが、朝日の社説(後述)も同様です。
ブログ主は惰性で読売と日経を取っているのですが、日経も国内政治に関しては“ミニ朝日”みたいなもので、社説で「佐川氏は『あの首相の答弁の前と後ろで私自身が答弁を変えたという意識はない。』と述べた。それなら国会に提出する公文書を改ざんしてまで、一体なにを隠そうとしていたのか。」などと書いていました。
文書改ざんについては理財局とその指示で近畿財務局が行ったことは既に現在の理財局長と次長が証言した事実で、佐川氏はここでの命令系統に関わることは証言を拒否したのですから、これを隠したかったわけです。
3面には大見出しで『証言拒否 50回連発』。
最初の丸川珠代氏の質問で決裁文書に関わることは一切証言しないと分かったので、経緯や指示系統に迫るような質問を何回質問しても証言拒否するのは分かりきったことです。野党は、何とか佐川氏が口を滑らせないかと、質問を色々変えてこの点を聞き続けたからで、『証言拒否 50回連発』なんて、馬鹿じゃないかと思います。(最近うんざりしてたので、とうとう日経は解約しました。その分、本が2~3冊買えるし。)
質問を色々変えて、と書きましたが、こんな名(迷)シーンもありました。
ここで、高井康行先生のありがたいお言葉を。
朝日新聞社説:(社説)佐川氏喚問 膨らむ疑問、募る不信
https://www.asahi.com/articles/DA3S13423350.html&
2018年3月28日05時00分
疑問は膨らむばかりである。
きのう衆参両院で、財務省の佐川宣寿(のぶひさ)・前理財局長に対する証人喚問が行われた。
森友学園との国有地取引をめぐり、財務省が決裁文書を改ざんした当時の国会答弁を、佐川氏は一手に引き受けていた。
改ざんはなぜ行われたのか。誰が誰の指示でやったのか。
問題の核心部分を問われると、佐川氏はことごとく証言を拒み、真相解明は全くと言っていいほど進まなかった。
議院証言法は、刑事訴追の恐れがあることを理由に証言を拒否することを認めている。
だが今回の公文書改ざんは、国会を欺き、国民の知る権利を侵した重大疑惑である。
佐川氏は「当時の担当局長として責任はひとえに私にある」と謝罪した。ならばその責任を果たす道として、知っていることを率直に国民に説明すべきではなかったか。
4時間余に及んだ喚問で、佐川氏は改ざんの事実を知っていたのかなど、自らの関与について、捜査対象になっていることを理由に説明を拒み続けた。
一方で、改ざんに安倍首相や麻生財務相、首相官邸の関係者、財務省幹部らの指示はなかったと断言した。
学園への国有地の貸し付け・売却についても、首相や妻昭恵氏の「影響があったとは全く考えていない」と言い切った。
なぜ、そう断じられるのか。
自らが改ざんにどう関わったかは一切語らぬまま、首相や麻生氏の関与は全否定する。学園との土地取引が行われたのは、佐川氏が理財局長に就任する前で直接の当事者ではないのに、首相や昭恵氏の指示や関与はなかったと一蹴する。
およそ不自然で、説得力を欠く証言と言うほかない。
自民党幹部のひとりが「首相らの関与がなかったことが明白になった」と語るなど、幕引きを探る動きもあるが、とんでもない話だ。疑問だらけに終わった佐川氏の喚問は、問題の深さをいっそう印象づけた。
失われた政治と行政の信頼を取り戻すには、二つの疑問を徹底的に解明する必要がある。
首相や昭恵氏の名前を決裁文書からなぜ削ったのか。そして、学園に破格の安値で国有地を売却したのはなぜなのか。
佐川氏の喚問は第一歩に過ぎない。前任の理財局長だった迫田英典氏や昭恵氏、昭恵氏と財務省を仲介した政府職員らの国会招致は欠かせない。
行政監視の機能を果たし、民主主義を立て直せるか。与野党ともに問われている。
前回のエントリーに書いたことを再掲。
- 偽証をしたら罪に問われる
- 一方、訴追の可能性がある部分に関しては証言を拒否する権利がある
以上から、自分に関わらない部分(やましくないこと)については、正直に言える。
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