【森友文書事件】決裁文書書き換えの目的は価格交渉の日(H28年3月30日)を隠すため?
新たに判明した事実です。
森友学園国有地売却に関し、14件の決裁文書(200超箇所)が改ざんされていたことが報道されていますが、学園と価格交渉を行っていた日付(平成28年〔2016年〕3月30日)が全て削除されていたことが分かりました。(記事後述)
これにより、佐川理財局長の価格交渉はしていないという答弁との整合性を持たせるため、という疑惑がより鮮明になりました。
削除された部分によると、この日の午前に協議を実施、夕方にあらためて学園側の予算上限額(1億6,000万円)を聞き出しており、これに合うようゴミの撤去費用を見積もったと考えられます。
ゴミの撤去費用は見積もりを国土交通省大阪航空局に依頼し、およそ8億2,000万円と算出され、最終的に売却予定価格として1億3,400万円、つまり、学園側の予算に納まる金額を提示しています。
なお、ニュース映像に映し出されたある文書には以下のように書かれていました。
当局、大坂航空局が森友学園に訪問し、今後の処理について国有地の売払いにより問題解決を図る方向で調整。また、指定期日延長に伴う貸付合意書(一部変更)の取り交わし等を完了。
この、学園側の予算に合わせて値引き額を算定したということを財務省が認めれば、ほぼ収束するはずです。
ただし、一部野党は、それでもあれこれいちゃもんを付けて、「アベガー」「アキエヨベー」を言い続けるかも知れませんが。
NHKの記事は「その背景に政治の影響がなかったかが焦点の一つになるものと見られます。」などと結んでいますが、もう、籠池夫婦という特異なキャラクターで十分説明が付くと思うのですが...
「森友」財務省決裁文書 “事前協議”の日 記述全削除
3月17日 19時39分 NHKニュース
※リンク先に動画あり。NHKは記事を消すのが早いのでご注意下さい。
森友学園への国有地売却の経緯を記した財務省の決裁文書で、近畿財務局が学園と協議を行ったおととし3月のある日の記述が、すべて削除されていたことがわかりました。この日、財務局は、学園側から購入可能な金額の上限を聞き出していましたが、記述が削除されたことで、この日の協議の内容が国会で追及されにくい形になっていました。
森友学園への国有地売却をめぐって、財務省は、学園との間で事前の価格交渉はしていないと国会で説明してきましたが、文書の書き換えが明らかになったことで、その信用性が失われる事態になっています。
元の決裁文書では、国有地の売却をめぐる経緯を記した部分に、おととしの「3月30日」、近畿財務局や大阪航空局の担当者が学園を訪れて、今後の方針について協議したことが書かれていましたが、書き換え後の文書では、この日の記述がすべて削除されていました。
売却をめぐる交渉では、財務局が学園側に対して、いくらまでなら支払えるのか予算の上限を尋ね、およそ1億6000万円という金額を聞き出していたことがすでに判明していて、この具体的なやり取りが行われたのが、文書から削られていた3月30日だったことが検察当局の調べなどでわかりました。
関係者によりますと、この日、元の文書に書かれていた協議が午前中に行われたあと、夕方に場所を移してあらため改めて協議が行われ、その場で財務局が学園側から予算の上限額を聞き出していたということです。
この夕方の協議に関しては、元の文書にも書かれていませんでしたが、3月30日の記述をすべて削ることで、この日、財務局と学園との間で行われた協議の内容が国会で追及されにくい形になっていました。
なぜ「3月30日」の記述が…
なぜ、「3月30日」の記述が消されたのか。
この日、近畿財務局は、森友学園が国有地を買い取るうえで、支払える金額の上限を聞き出していました。記述が消されたことで「売却価格が学園側の事情に合わせて大幅に値引きされたのではないか」という疑問が改めて浮かび上がる形となっています。
おととし3月11日、森友学園が小学校を開設するため、国から借り受けていた大阪・豊中市の国有地で、地中から新たなごみが見つかり、3月15日には学園の籠池前理事長夫妻は、霞が関の財務省本省を訪問し、国が早期に対処するよう強く迫りました。
この場で籠池前理事長は、小学校の名誉校長だった安倍総理大臣の妻の昭恵氏にも言及していました。
そして、問題の3月30日、近畿財務局は、学園側に予算的に支払える上限額を尋ねおよそ1億6000万円という金額を聞き出していました。
この後、近畿財務局は、値引きの根拠となるごみの撤去費用の見積もりを国土交通省大阪航空局に依頼し、およそ8億2000万円と算出されました。
6月には、売却予定価格として1億3400万円を提示し、事前に聞き出していた学園の予算に収まる形で売却していました。
ごみの撤去費用を積算する対象には、深さ9.9メートルのくい打ち部分が含まれていて、国会での議論ではこうした深い場所に本当にごみが存在するのか疑問視されていました。
国土交通省などが公表している資料などからは、くい打ち部分などの深い場所の撤去費用は、少なくとも数千万円に上ると見られ、仮に、こうした深い部分を対象にしなければ値引き額は低くなり、売却予定価格は学園の予算を超えていたと見られます。
これまでの財務省の説明の信用性が失われたことで、週明け以降の国会では、森友学園をめぐる一連の問題の出発点となった大幅値引きされた売却価格が、学園側の事情に合わせた数字ありきで設定されていなかったかや、その背景に政治の影響がなかったかが焦点の一つになるものと見られます。
« 【森友文書事件】5分で分かる!財務省文書“書き換え”問題【和田政宗議員解説動画】 | トップページ | 前川喜平前文科省事務次官のTwitter...そこで呟かれてる内容とは »
コメント
« 【森友文書事件】5分で分かる!財務省文書“書き換え”問題【和田政宗議員解説動画】 | トップページ | 前川喜平前文科省事務次官のTwitter...そこで呟かれてる内容とは »
>推理小説的に考えたら→おおぅ
そこまで練れるブレーンがいるのなら、頼もしい(特に外交面で)限りです。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/18 17:29
【ブログ主】
奥穂3190様
>財務省に業を煮やした官邸の離れ業の可能性も出てきましたね。ただリーク先が朝日というところがどうも・・ですが
官邸主導かどうかは分かりませんが、推理小説的に考えたら、官邸主導をカモフラージュするなら、産経や読売あたりよりは朝日のほうが...
前川喜平氏の出会い系バー通いを読売に書かせ(?)たところ、どんなに官邸が非難されたことか。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/18 17:03
>本当に隠したかったことが「価格交渉」の事実として、それだけ削除したら、改ざんがバレたときに見え見えなので、広範囲に改ざんして核心部分を見えにくくした...のでは?
それ、私も思いました。アガサ・クリスティー他によくある、本当の殺人を隠すための連続殺人ですね。あり得ます。
アゴラ池田氏の暴走は、蓮舫の嘘の研究を書いた時に度々目にしたので、今回の「検察リークは官邸の指示」は行き過ぎた憶測だと思っていましたが、財務省に業を煮やした官邸の離れ業の可能性も出てきましたね。ただリーク先が朝日というところがどうも・・ですが、他社にも流したところ朝日以外は躊躇った、という可能性もありますね。
となれば、官邸は一発逆転を演出して、政府支持率をアップさせなければなりませんが、これはなかなか難しい。ひょっとすると検察は財務省の改竄を殆ど掴んでいて、その捜査結果が、官邸の切り札??
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/18 15:04
【ブログ主】
佐川氏の答弁書(部下が書いたと思われますが)が雑ですよね。
本当に隠したかったことが「価格交渉」の事実として、それだけ削除したら、改ざんがバレたときに見え見えなので、広範囲に改ざんして核心部分を見えにくくした...のでは?
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/18 09:43
【ブログ主】
奥穂3190様
>文春ももう終わりですね。
新潮の中吊り広告を盗み見して記事を書いていた三流週刊誌ですもの。お察しです。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/18 09:23
文春ももう終わりですね。オンラインから引用。
『そして森友学園問題である。この件で「忖度」が流行語となるが、首相官邸を頂点とする忖度の体系は、内閣人事局の設立などによって組み上がっていたのである。それが国有地売却によって明らかになる。「いい土地だから進めて」と、よかれとおもって言ったことから、はからずも忖度がはたらくメカニズムが白日の下にさらされることになったのだ。』
これを書いた記者は明らかに公開書類を読んでいない。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/18 03:49
ブログ主様
以下は、3・17のエントリーを拝見する前に書いたものですが、ちょっと当たったところもあるようなのでご覧ください。
=======
前回、決裁書類の体裁についてしたり顔のコメントを書いてしまいましたが、例のH27・2・4の「調書」冒頭に「これまでの経緯については、別紙1のとおり。」とあるのを見落としていました(汗)。「調書」=別添ですね。
以下は、既にお書きになったことの重複ですが・・。
佐川答弁の(現在判明している)事実との齟齬は、①面会記録は破棄②価格提示はしていない、の二つです。
書き換え前の書類を目にしていれば、首相夫人と土地との関係が貸付時のものであり、それも取るに足らないもので、値引きには全くの無関係であったことは直ちに判った筈。首相答弁が契機になるとは思えません。また、①が事実でないことも当然に判るので、佐川氏は書き換えを当初知らなかったと考えられます。但し、双方の発言を逐一記録した詳細な面談記録があって、それは本当に処分され、佐川答弁がそれを言っている可能性はあります。
一方、籠池・弁護士に損害賠償をちらつかされて譲歩した点はあっても、削除内容にリスクを冒してまで隠蔽しなければならない程のものは認められず、意図的な隠蔽があったとも思えません。国会答弁に先立って調査をした者が、うっかり別紙を点検せず行った報告に基づいた、誤った答弁の訂正を渋って事後的に書類を合わせた、と考えるのが自然でしょうか。
②は、書き換え後の売払決議書に「5.(4)・・近畿財務局は相手方と見積もり合わせを行って売却価格を決定しているが、本土地については、学園において地下埋設物の撤去費用を積算することが困難であると考えられたことから、H28・6・1に学園に価格提示を行った結果、学園から買い受ける意思表示がなされた。」とあるので、理解に苦しみます。まさか書類の点検もせず答弁はしないでしょう。答弁の文脈は判らないのですが、何か別の意味でこう言ったものか。見積もり合わせ=双方からの価格の提示がなかったことを言おうとしたものか?不思議です。
勘ぐれば、近財・理財・佐川氏には134百万の価格合意に至る過程に後ろ暗いものがあって、それを隠そうとして、発覚の糸口になりそうな記述を削除・書き換えたケースもあり得ますが(例えば一部報道にあったようなゴミ撤去費用見積もり操作)、判断は現状付きかねます。いずれにせよ、首相夫妻の払い下げ価格決定関与を示すものはありませんね。
朝日報道はスクープには違いありませんが、彼等の思惑通りではなかった訳で、これからどんな印象操作を仕掛けるかお手並み拝見、と澄ましていたいのですが、世論への影響が懸念されます。
========
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/17 21:28