【森友文書問題】3月19日予算委員会/本日のメディア報道
公開: 2018/03/19 23:30 最終更新:
今日(2018/03/19)はテレビ入りの参院予算委員会があり、財務省の文書改ざん問題について質疑が行われました。
ブログ主は午前中の審議しか観ていないのですが、午前中は青山繁晴議員と和田政宗議員でほぼ十分。その後の民進党の質疑では堂々巡りで観る価値はありませんでした。午後では清水貴之議員が良い質疑をしたそうで、後ほどチェックして、必要なら追記しようと思います。
今朝は毎日新聞のスクープとして、新たに“抜き取られた”文書が発覚したとの報道がありました。これ以外にも新たな報道がいくつかあったので、それをまとめておくことにします。
2018年3月19日 参議院予算委員会
参議院TV: http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
参議院
08:55 予算委員会
会議に付する案件
平成三十年度一般会計予算(衆議院送付)
平成三十年度特別会計予算(衆議院送付)
平成三十年度政府関係機関予算(衆議院送付)
質疑者
09:00-09:41 青山 繁晴(自由民主党・こころ)
09:41-10:22 和田 政宗(自由民主党・こころ)
10:22-11:12 難波 奨二(民進党・新緑風会)
11:22-11:54 大野 元裕(民進党・新緑風会)
(休憩)
13:00-13:03 大野 元裕(民進党・新緑風会)
13:03-13:33 矢倉 克夫(公明党)
13:33-14:03 横山 信一(公明党)
14:03-14:33 小池 晃(日本共産党)
14:33-15:03 辰巳 孝太郎(日本共産党)
15:03-15:48 清水 貴之(日本維新の会)
15:48-16:12 福島 みずほ(希望の会(自由・社民))
16:12-16:36 福山 哲郎(立憲民主党)
16:36-17:00 薬師寺 みちよ(無所属クラブ)
この中で、和田政宗議員は以前のエントリーでご紹介したCafestaでの解説をほぼ踏襲して、森友問題をあたらめておさらいするような質疑で分かりやすかったと思います。
毎日新聞のスクープについても和田議員は質疑していましたが、これについては記事と共に後述します。
和田議員の質疑の中で、二つほど“ジャブ”を繰り出していました。
一つは、太田理財局長がかつての野田政権の秘書官をしていたこと。増税推進派として安倍政権を敵視しているのでは?というニュアンスでの牽制です。この時の太田理財局長の否定のしかた(慌てぶり)はちょっと見ものでした。
もう一つは、不透明な国有地払い下げの例として、山梨の航空学園(質疑では明言せず)に言及し、民進党大島九州男議員の関与をほのめかしていました。(下図は和田議員のツィートからお借りして直接表示しています。)
和田 政宗認証済みアカウント@wadamasamune
予算委。野党は総理夫人が名誉校長だったから森友の国有地取引に関与しているはずだと根拠のない質問。根拠もなく、役職に就いていたから関与があるはずと騒ぐのであれば、山梨の学園への国有地値下げ売却の件でもいくらでも騒げることになる。国会議員が学園の保護者会連合会長。関与はないとは思うが
日テレNEWS24: 『森友文書“改ざん”財務省が国交省にも依頼』
http://www.news24.jp/articles/2018/03/19/04388353.html
森友文書“改ざん”財務省が国交省にも依頼
2018年3月19日 11:35 日テレNEWS24森友学園への国有地売却に関する文書改ざん問題で、財務省が国土交通省にも文書の改ざんを依頼していたことが新たにわかった。
森友学園への国有地売却をめぐっては、これまで財務省理財局が近畿財務局に指示するなどして、去年2月以降、決裁文書を改ざんしたことがわかっている。
関係者によると、この決裁文書は売却価格の鑑定を行った国交省にも同じものがあったことから、理財局は国交省に対しても近畿財務局と同じように改ざんするよう依頼していたことが新たにわかった。最終的に国交省は、会計検査院の調査には改ざんされていない原本を提出している。
財務省では決裁文書の整合性をとるために省内の地方組織だけでなく、省をまたがってまで改ざんを依頼したものとみられ、大阪地検特捜部でも改ざんの経緯について慎重に調べている。
具体的な改ざん依頼時期は不明ですが、字面で判断すれば財務省内で改ざんを行っていた2月下旬~4月かと思われます。
ただ、俄に信じがたいのは、「改ざんをしてくれ」と他省に直接依頼するでしょうか?さすがにそんなに間抜けだとは思えないのですが。
正式に改ざん後の文書と差し替えて欲しいと依頼しても、既に森友問題は発覚した後なので、こちらもバレバレの行為です。
取材元もはっきりしていないし、よく分からないニュースです。日テレのニュースですが、読売夕刊には記事はありませんでした。
FNNニュース: 『佐川氏から改ざん指示の認識』
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00387545.html
「佐川氏から改ざん指示の認識」
03/19 11:39 FNNニュース森友学園への国有地売却をめぐる決裁文書が、改ざんされていた問題。
財務省の理財局での調査で、職員の多くが、当時局長だった佐川前国税庁長官から、改ざんを指示されたという認識だったと話していることが、FNNの取材でわかった。
財務省は、決裁文書は、佐川氏が理財局長だった、2017年2月下旬から4月にかけて改ざんされたとしていて、理財局では、改ざんがどのように行われたかについての聞き取り調査が進められている。
この調査で、職員の多くが「佐川氏から改ざんを指示されたという認識だった」と話していることが、FNNの取材でわかった。
こうした中、政府関係者によると、財務省は、弁護士などによるサポートを保証することを前提に、佐川氏に改ざんの指示を認めさせたいとしているのに対し、佐川氏は、刑事訴追を恐れて、自らの指示を認めることに難色を示しているという。
FNN(フジニュースネットワーク)は改ざんに関与した財務省職員に接触できたのでしょうか?
この記事が本当なら、本省(理財局)内部および近畿理財局への改ざん指示はトップの局長からなされたことになります。
ブログ主は、それ以前に、佐川理財局長の答弁書は誰が作成したのか?という疑問があります。時系列をまとめたエントリーを見ても分かるように、佐川氏が理財局長に着任したのは売買契約の決裁が前任者の迫田氏の時に完了した直後でこの案件は完了していました。着任後から森友学園がスキャンダルとなるまでは関知していなかったと思います。
そして、発覚後、国会で答弁をする段になってどこまで状況を把握していたのが疑問です。佐川氏が“はめられた”とまでは言い切れませんが、実務レベルが答弁書を作成し、局長にレクをする際にどこまで事の重大さを佐川氏が把握していたのか? 全てを理解して隠し通せると思って誤った答弁をしたのか、答弁をした後に事実との齟齬を理解したのか、佐川氏が国会招致をされた場合に、訴追のリスクを抱えて、どこまで話すかは分かりません。
この報道のニュアンスは、既に“外の人”となった佐川氏と理財局側の間に溝ができた(“ミシン目が入れられた”ように取れます。
毎日: 『財務局職員が交渉記録保存 「破棄」答弁矛盾』
https://mainichi.jp/articles/20180319/k00/00m/010/146000c
財務局職員が交渉記録保存 「破棄」答弁矛盾
毎日新聞2018年3月19日 07時00分(最終更新 3月19日 08時32分)学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、2016年6月に学園と締結した売買契約の交渉過程の記録を、昨年2月の問題発覚後も財務省近畿財務局の一部の職員が「手控え」として保存していたことが明らかになった。記録の存在は本省にも報告されていたとされる。財務省は国会で「交渉記録は破棄した」と繰り返しており、答弁との矛盾について野党が追及を強めるのは必至だ。
財務省は今月12日、売却や貸し付けに関する決裁文書14件で、値引きの経緯などを削除していたとする調査結果を公表。この他にも、学園とのやり取りの記録が残されていたことになる。
関係者によると、保存されていた記録には、大阪府豊中市の国有地について廃棄物の撤去費約8億円を値引きして1億3400万円で売却する際の学園側とのやり取りの詳細を記載。職員が訴訟になった場合などに備え個人的に保存していたとされ、公文書として取り扱われていないという。
学園は16年3月、国有地で進めていた小学校の建設工事で「新たなごみ」が見つかったことを国に報告。その後、当初の土地の貸し付け契約を破棄して、新たに売買契約を結ぶための交渉が進められていた。
問題が発覚した昨年2月以降、当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官は国会で値引き交渉の記録の開示を求められた際、「契約締結時に事案終了ということで処分している」(昨年4月10日の衆院決算行政監視委員会)などと答弁。後任の太田充理財局長も今年2月15日の衆院予算委で「交渉記録については(保存期間が)1年未満ということで、そういう取り扱い(破棄)をしている」と説明した。
ただ、太田氏は今月16日の参院予算委で交渉記録の存否について問われると、「まずはこの(文書改ざん問題の)対応をやった上で、その次のことを考えさせてほしい」と述べ、今後確認する考えを示唆した。
国有地売却を巡っては、会計検査院が昨年11月、ごみ撤去費について「十分な根拠が確認できない」と指摘。財務省理財局の一部には、この時期までに交渉記録の存在が報告されていた。【杉本修作、土江洋範】
12日に公表された新旧対比報告(14文書)以外にも売買契約の調書から1枚抜き取っていたことが発覚した、というスクープです。
これに関する和田議員の質疑に対し、太田理財局長は単純な見落とし、事務的なミスというような答弁をしていました。把握はしていたが、新旧対比報告を作成する際に書き換え前として貼り付けるつもりが落としてしまった、という答弁をしていました。
国会前の理事会で謝罪のレターと共に提出したようで、レターと共に漏れていた文書を下記に提示します。(蓮舫氏のTwitterから取得したので、手書き文字は多分蓮舫氏のものです。)
おまけ: TBSワイドショー「ひるおび!」
ひるおび 2018年3月19日 180319 #2/2
https://youtu.be/n8S6xOjLoRk?t=44m15s (44m15s~)
改ざんした文書に関する八代弁護士と田崎史郎氏の発言
発言そのままではありませんが、以下のような会話がなされています。
八代: 「国有財産の鑑定評価委託業務について」(ブログ主註:リンク先はNHKサイトのPDF文書)という書面(H28.04..14)を読むと、その中に8億円の値引きの官僚側の動機(理由)が書かれているが、多くの国民はこれを信じないんでしょうね。『これだけじゃない。これプラス忖度や大きな力が働いてるはずだ』って。そう言われなきゃ納得しないんだろうなと思うが、少なくとも与えられている証拠資料の中では官側の明確な動機が書かれている。自分達(財務省)の予想しないゴミの指摘を受けて、損害賠償請求される恐れがある。開校に間に合わなくなる。そこから恫喝が始まるんですが...。だから、どうしてここを抹消しなくてはならなかったが明確に出てる。
田崎: 八代さんが言われる動機の部分が、少なくとも新聞の見出しになるような形では報道されていないんですよ。要旨では報道されているとしても。マスコミ側の読解力がないのか...。
八代: (マスコミは)面白くないんじゃないですか。こういうの。
こういう番組を観る層はこれを聞いても理解しないのでしょうねえ。
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【ブログ主】
奥穂3190様
同じことを考えており、たった今、新たなエントリーに書きました。
素直に考えたら、これしかありません。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/20 16:21
社会問題だ、損害賠償だと脅し上げられ、おまけに国有財産処分の原則を覆した価格提示を要求された近財が、航空局に泣きついての調整の結果(航空局渋々依頼文書提出に同意、但し、価格提示は近財マター)が、メモの6.の背後に見える気がします。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/20 16:10
う~ん、この決裁参考メモは、近財内部の資料だと思います。本省が作成したものなら、「本省審理室指示事項」とは書かず、「審理室意見」で、「・・すること」ではなく、「・・すべきとの意見、近財には指示済み」でしょう。また、1.2.を付けるのは体裁上の役所慣習でしょう。
私の言った詳細な面談記録とは、学園の申し出内容とか大阪航空局との調整内容の記述の元になった会合の記録のことです。例えば学園との面談では、「日時、場所、先方:籠池・・、顧問弁護士酒井・・、当方:・・、」とか書くもののことでした。審理室とのやり取りは、恐らく電話ではなく、担当が本省に出向いて面談していると思います。以上ぜ~んぶ廃棄。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/20 12:21
【ブログ主】
奥穂3190様
>こういうメモがいきなり書かれることは有り得ない。纏めの元になった詳細な面談記録があって、そこには会合出席者の氏名が全て書かれている筈。多分全部廃棄されたな。
まず、これを見たときに、どっち(本省、近財)が書いたのだろう?と疑問に思いました。疑問と言うよりは、これは本省側がまとめたメモだろうと。
このメモの印象は、打ち合わせ後に、決定事項確認(念押し)のためにメールにでも添付するようなメモ。
ですから、仰るとおり、本省と近財との間で綿密な打ち合わせがあり、その結論をまとめたメモですね。
あれだけ綿密な記録を残す近財担当者にしてはあっさりしすぎていて、近財側がこれを書くとしたら、まさしく覚え書き程度の“メモ”。(文科省の課長補佐が書いた類いのもの) それなら「1.事案の概要」、「2.対象財産」なんてわざわざ書かないと思うのです。
近財はマメですからこれも決裁文書に添付しましたが、本省から見たら、「こんなメモ、添付するなよ...('A`) 」って思ったんじゃないでしょうか。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/20 10:50
こういうメモがいきなり書かれることは有り得ない。纏めの元になった詳細な面談記録があって、そこには会合出席者の氏名が全て書かれている筈。多分全部廃棄されたな。
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/20 08:43
見つかったメモ:-
「廃棄物混入度」→結構いい加減
「本省審理室指示事項」→本省も十分絡んでるじゃん
「大阪航空局は売却価格からの控除を提案することで事案の収束を図りたいとの意向を示している」→財務省が言って欲しかった台詞
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/20 08:18