【森友文書事件】財務省は2015年(平成27年)6月から文書を改ざんしていたことが発覚
13日夜、今まで財務省が改ざんしたとされる14文書(3月12日に報告)以外にも削除したメモがあったことが発覚しました。
財務省はこれまでの説明で、2017年2月下旬から4月にかけて改ざんを行ったと報告していましたが、今回発覚したメモの削除は2015年(平成27年)6月で、それ以前から文書の改ざんが行われていたことを意味します。
NHKの報道(記事後述)によると、このメモ(日付:平成27年(2015年)1月16日)には近畿財務局が国有地を貸し付ける契約について財務省本省と相談していることがわかる内容が書かれていて、本省の承認を得るための決裁文書に添付されていたものとのことです。
森友学園の籠池前理事長が近畿財務局に決裁文書の開示を求めて情報公開請求を行った際に削られた可能性がある、ということで、近畿財務局の判断で行い、本庁は知らなかったということです。
この直前の流れを見ると、(今、ブログ主が分かっているもの)
- 2015年2月4日 近畿財務局から本省宛に、「特例承認の決裁文書」(普通財産の貸付にかかる承認申請について)を発信
- 2015年4月28日 国有地貸付に関する文書決裁完了日(森友学園が土地取得申請を行ったのは2013年9月)
- 2015年5月29日 森友学園と近畿財務局が「定期借地契約」を締結
で、定期借地を巡っても、籠池氏側はあらゆる手立てを使おうとしており、イレギュラーなことが行われ、近畿財務局も財務省本庁側のやっかいな案件と認識していたのでしょう。
連日、野党6党合同ヒアリングでは財務省や国交省などをヒアリングと称する”つるし上げ”が行われていますが、そこでは”安倍夫妻の関与を隠すために改ざんをした”というストーリーありきで尋問がなされています。
「特殊性」という言葉を、野党6党は都合よく”安倍首相夫人が関わっている”と解釈していますが、当該土地の地歴(巷に言われていることがあってもなくても、元々川沿いの軟弱地で、実際にゴミが投棄されていた場所)や、何より、取引相手の籠池氏の特異なキャラクターだけでも、「特殊性」のある案件だったでしょう。
なお、この「特殊性」云々が出てくるのは、2016年に作成された文書で、
- 「本件は売買予約契約書を締結しているなど、特殊な処理を行った案件」(2016年4月/内部文書)
- 「本件の特殊性に鑑み」(2016年6月/大坂航空局へ売却方針通知するための決裁文書)
のように登場します。
ストーリーありき、先入観ありきで財務省を尋問する無能野党6党
14文書の改ざんが発覚した後、3月12日(月)から連日野党6党は財務省やその他の関係省庁などを尋問しています。
しかし、「安倍夫妻の関与」というストーリーありきで、どうにか言質を取ろうとするだけなので、一向に事実が解明されません。見ていてイライラするのですが、本日も国会を審議拒否してヒアリングを行うようです。
野党の描いているストーリーでは、2017年2月17日に安倍首相が国会で「私や妻が”売却に”関与していたら首相も国会議員もやめる」といった趣旨の発言がスタートで、だから、2月下旬から改ざんが始まった、という先入観から逃れられないようですが、今回の2015年6月の改ざん発覚で、これも揺らぐのではないでしょうか。
森友学園の問題が世間に知られたのは2017年2月に、”国有地が鑑定評価額より約8億円値引きされていた”という一件ですが、近畿財務局はそれ以前から訴訟のリスクに怯えながら籠池氏と交渉していたわけです。
籠池氏はいざとなったら公文書の開示請求をする人間だということは2015年から理解していた、ということは頭に入れておく必要があると思います。
NHK:『「森友」 財務省 以前から不都合な文書削除か』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180313/k10011363801000.html
「森友」 財務省 以前から不都合な文書削除か
3月13日 21時36分
「森友学園」に関する決裁文書の書き換え問題で、財務省が12日、国会に報告したもののほかにも決裁文書に添付していたメモが削除されていたことが新たにわかりました。このメモの削除は、これまで明らかになっている書き換えより前の時期に行われたとみられ、開示すれば不都合になると考えた文書の改ざんや削除が以前から行われていた疑いが出てきました。
財務省は、12日、14件の決裁文書に書き換えがあったことを認め、国会に報告しました。
しかし、その後、このうち1件の文書にもともと添付されていた1枚紙のメモが、3年前の平成27年6月に原本から削除されていたことが、新たにわかったということで、財務省は13日夕方、参議院予算委員会の理事などに説明しました。
このメモには近畿財務局が国有地を貸し付ける契約について財務省本省と相談していることがわかる内容が書かれていて、森友学園の籠池前理事長が近畿財務局に決裁文書の開示を求めて情報公開請求を行った際に削られた可能性があるということです。
一部の理事に行った説明によりますと、籠池前理事長が本省に直接掛け合うことを心配した近畿財務局の判断で削除したとみられるということです。財務省本省は関わっていないということです。
財務省はこれまで決裁文書の書き換えについて、本省理財局の指示で去年2月下旬から4月にかけて行われたとしています。しかし、新たに明らかになったメモの削除は、それより前に近畿財務局が独自の判断で行っていたことになります。
開示すれば不都合になると考えた公文書を意図的に削除するなどの書き換え・改ざん行為が以前から行われていた疑いが浮かび上がったことで、今後、問題がさらに深刻化することが予想されます。
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コメント
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【ブログ主】
●kanako様
ワイドショーと夕方のニュースを少し観ていましたが、印象操作はえげつないですからね。「よくわからないけど、テレビが安倍さんが怪しいって言ってる!」って層は相当増えるのではないかと。
>それと、もしかして、本省理財局と近畿財務局の責任のなすりつけ合いになってるんですかね。
この関係はどうなんでしょう。一方的にどっちが悪いと思っているような単純な関係ではないとおもうのですが。
●奥穂3190様
==【引用開始】==========================
以下の新情報:-
① 近畿財務局の削除は2017・2首相答弁以前から
② 売買契約決裁は近財マター(国有地賃貸は例外扱いで本省マター)
また、
③ 首相夫人に係る記述で削除されたのは、籠池証言とネットニュース部分で、「認可・国有地払い下げ」に関係するとするのは無理筋。(それにいい土地と云っても田圃用の話じゃん!) これは稟議の参考とする関連情報・面談記録の類で重要とは思えないが、兎に角籠池から逃げたい近財の必死さは見える。
==【引用終わり】========================
①、②は事実として了解しました。
③について、削除した部分に書いてあった首相夫人に関する記述には夫人の「値引きへの関与」を証明するものではないこと、同意です。
また、籠池夫人とのメールのやりとりを読んでも、逃げたい様子は伝わってきますね。
==【引用開始】==========================
以上を咀嚼すれば、削除の主犯が近財であって、佐川前局長も被害者である可能性が大きいと私には思えます。首相答弁が忖度の引き金となったとの意見も見られますが、③からして穿ち過ぎでしょう。
==【引用終わり】========================
「佐川前局長も被害者である可能性」について
今、全く話題になりませんが、近畿財務局は豊中市議らによって告発されている状態なのですよね。背任罪、つまり、不当な取引で国(国民)に不利益を与えたかどうか。
これに対して、佐川氏は監督責任のある者として、近畿財務局にとって不利な答弁を避けたかったのではないかと思います。つまり、近財を守ることが第一義でなかったかと。(上に立つ者としての管理責任を逃れるためもあるでしょうが。)
==【引用開始】==========================
それにしても腑に落ちないのは、
① 検察へ削除後の書類を任意とは云え提出したこと。売買に至る経緯説明・面談記録がありませんでは、捜査当局が納得しないのは常識で判ること。それとも任意・捜査初期段階と甘く考えたか?
② 近財の言い分を佐川氏は安易に信じたのか?
③ 朝日スクープの出所は?
==【引用終わり】========================
①について
今日(14日)の国会での太田理財局長の答弁によると、古い決裁書は破棄したとのこと。だから、削除後の書類しかなかったのではないかと思います。
もう少し補足すると、12日に公開された「新旧を比較した報告書」の「旧」の部分は、電子データ(破棄したとは言え、ワープロで作ったものなので、電子的に残っていた、あるいは隠して残していた)や、紙ベースのものをかき集めたそうです。だから、改ざん前の決裁文書を大阪地検に提出するのも国交省からでも貰わないと無かったのでは?と思います。
②と③は改ざんの真の目的によりますね。佐川氏はなにを守りたかったのか。
近財と本庁の関係も、本庁からの指示で改ざんをさせられたという点では、恨みを持つかもしれませんが、元はと言えば、近財のミス。本庁(佐川氏)側が守ろうとしてくれていたと思えば、一蓮托生の思いでいたことかと。
新たなエントリーに書いたのですが、地検にある2通の決裁文書がどのような形なのかといった事実を固めずに想像を元に推理しても、無駄なことをやっているように思えます。
投稿: 大師小ブログ主 | 2018/03/15 00:06
ブログ主様
以下の新情報:-
① 近畿財務局の削除は2017・2首相答弁以前から
② 売買契約決裁は近財マター(国有地賃貸は例外扱いで本省マター)
また、
③ 首相夫人に係る記述で削除されたのは、籠池証言とネットニュース部分で、「認可・国有地払い下げ」に関係するとするのは無理筋。(それにいい土地と云っても田圃用の話じゃん!) これは稟議の参考とする関連情報・面談記録の類で重要とは思えないが、兎に角籠池から逃げたい近財の必死さは見える。
以上を咀嚼すれば、削除の主犯が近財であって、佐川前局長も被害者である可能性が大きいと私には思えます。首相答弁が忖度の引き金となったとの意見も見られますが、③からして穿ち過ぎでしょう。
それにしても腑に落ちないのは、
① 検察へ削除後の書類を任意とは云え提出したこと。売買に至る経緯説明・面談記録がありませんでは、捜査当局が納得しないのは常識で判ること。それとも任意・捜査初期段階と甘く考えたか?
② 近財の言い分を佐川氏は安易に信じたのか?
③ 朝日スクープの出所は?
投稿: 奥穂3190 | 2018/03/14 19:00
「文書の改ざんや削除が以前から行われていた」って
NHKがまともな報道した〜!って思ったけども・・・
このニュースをテレビでお年寄りが聞いたら
「以前から安倍首相は悪いことしてたんだな。やっぱりな」
って思うかもしれんですね。
少し詳しい人なら、なんだ安倍さん関係ない、って思うけど
テレビしか観ない人はそこまで分からないかもですね〜。
それと、もしかして、本省理財局と近畿財務局の責任の
なすりつけ合いになってるんですかね。
投稿: kanako | 2018/03/14 12:44