【森友文書問題】過去の報道 1..鴻池事務所陳情メモと鴻池議員会見
公開: 2018/03/25 14:16 最終更新: 2018/03/26 8:18(画像追加)
財務省の文書改ざん問題が発覚して依頼、過去の記事を探して経緯などをまとめていますが、概略は分かったので、本筋以外の記事を落ち穂拾いのように拾って読み始めました。
そう言った情報を少しずつ「過去の報道」シリーズとして記録に残しておこうと思います。
今回は、2017年3月1日に開かれた鴻池祥肇議員の会見とその頃公開された陳情整理報告書(以下、鴻池メモ、あるいは陳情メモと表記)です。
ブログ主は初めてこのメモを知ったのは、『森友問題は結局、財務省の大チョンボ!? 3枚のメモから見えた真相-マスコミも野党もトンチンカン-』(2017年4月3日/現代ビジネス/高橋洋一)という記事でです。
残念ながら、この記事は既に無料公開の期限を過ぎていますが、ここに掲載された陳状メモとその内容にその他の情報を加えてまとめておくことにします。
まず、資料を先に提示します。
- 陳情メモ(P.1~6): https://www.tbsradio.jp/125022
現代ビジネスの記事ではこの内P.5と6を参照- 土地改良工事に関する近財・航空局・業者の打ち合わせ議事録: 「kounoike_memo_20150904_minutes.pdf」をダウンロード
記事に提示されていた画像- 鴻池議員会見記事: 森友学園問題 鴻池祥肇参院議員「なんやかんや言うて、泣きながらコンニャク出しよった」(2017.3.4 02:30更新 産経web)
内容が面白いから提示しましたが、この記事では扱いません。(探せば会見動画もたくさん見つかります)- 第193回国会 予算委員会 第5号 平成29年3月2日議事録
小池晃議員(共産党)が陳情メモを元に佐川理財局長に質疑
陳状メモはなぜかTBSラジオのサイトに画質の良いものが掲示されていたので、そちらのURLをご紹介しました。議事録は現代ビジネスの記事にあった画像を保存していたものを読みやすいのでPDFに変換しました。
ブログ主は森友問題に関しては、この現代ビジネスの記事を読んで納得してしまったので、それ以降、あまり関心がなくなっていました。
この陳状メモは、「小学校建設予定地を定借しようとしようとしていた籠池氏が、最初は大阪府の認可や賃料を安くしたいと鴻池議員事務所に便宜を図って貰おうと陳情、その後、土中にゴミが埋まっている証拠を掴んで近畿財務局や本省と交渉を始める過程」が分かるもので、筆者の高橋氏は、このメモの一部と議事録から、近畿財務局のチョンボ(ミス)と片付けています。
高橋氏は、ゴミが有るなら有るで安い価格で売るか、あるいはゴミを撤去してから売るべきで、ゴミが埋まっていることを黙って高く売ろうとしていたのが悪い、と結論づけています。
確かにそれが最も正当な方法でしょうが、周囲の土地の地価を下げられないなどの事情もあったのでしょう。
上の画像でも分かるように小学校建設予定地(道路を挟んで左)と野田中央公園(同右)元々一筆の土地で、ほぼ同じ広さでありながら、契約金額自体は14億2,386万3千円です。(各種補助金:国庫補助金7億1,193万円、公共投資臨時交付金6億9,069万円がついて、実質購入価格は2,124万3千円ですが。/売買契約時期:2010年3月)
実際、陳状メモP.3を見ると、「売却予定額15億円」(2014年〔H26年〕1月31日 籠池氏の報告)と書かれています。(上記・下の画像は比較する金額が間違っているのは言うまでもありません。小学校の土地のゴミ撤去費用は分かりやすく“値引き”と言っていますが、「有益費」となる予定だったので、1億3,400万円+有益費が地価となります。)
さて、最初に提示した資料ですが、現代ビジネスの記事で注目していたポイントは以下の3点です。前後の出来事も簡単に記します。
2015年(H27年)1月9日 陳情メモ P.5(画像追加)
- 【相談】土地価格10億、10年間の定期借地が条件で賃料約4000万円の提示
- (高いので)何とか働きかけて欲しい
- この後の複数の決裁文書は後に改ざんされる(多くの政治家秘書の陳情や安倍昭恵夫人の名前もこれらの文書に記載されていた)
- 2015年(H27年)5月29日 森友学園と近畿財務局が「定期借地契約」を締結
2015年(H27年)9月4日 議事録:
- 出席者: 近畿財務局・大阪航空局・業者
- 近畿財務局から工事業者に、ゴミ処分費用が予算化できないのでゴミの場内処分(ゴミの埋め戻し)を提案
- 2015年(H27年)11月15日 首相夫人付職員が理財局に照会、回答を籠池氏へFax送付(定借を10年→50年にして欲しいという要望⇒ゼロ回答)
- No.10「有益費支払いに関する意見について(照会)」(平成28年2月25日)
…【改ざんされた決裁文書】「大坂航空局で予算が付き次第ゴミ撤去費用を有益費として支払う方向」という内容の文が削除された文書
2016年(H28年)3月14日 陳情メモ P.6 (画像追加)
- 近畿財務局の対応に不満
- 昨年9月に土壌改良工事について業者に対して近畿財務局が不当な提案があったことを11日に聞いた
- 2016年(H28年)3月15日 籠池夫妻らが財務省の田村国有財産審理室長らと面会したときの音声テープ録音
- 2016年(H28年)3月3月30日 財務局が籠池氏側の予算の上限額を1億6,000万円と聞き出す…【改ざんされた決裁文書】全ての文書からこの日付を削除(ブログエントリー『【森友文書問題】なぜマスコミは新たなメモと「H28年3月30日」の記述を結びつけて報道しないの?』)
この現代ビジネスの記事が書かれた2017年4月3日時点で大凡見えていたわけですね。
陳情メモは受け付けた秘書の方が書くのでしょうが、陳情内容のメモの後に、(一部は相手に直接言ったのでしょうが)、「当事者で詰めて下さい コンサル業ではありませんので」とか「(籠池氏の相談内容に)どこが教育者やねん!」、「策士」、「不動産屋と違いますので」というメモ書きが面白いです。
もちろん、陳情を受けて照会したり話を繋いでやったりと、国会議員ならこの程度のことはやるだろうということと、行きがかり上、話を繋いだからには報告を受けたことをメモしているだけで、陳情メモは、むしろ鴻池氏がたいした便宜は図っていないということを証明するものです。
なお、今回の記事に直接関係ありませんが、現在産経に連載中(明日「下」が追加?)の高橋洋一氏の寄稿文は面白いです。
(上) 近畿財務局の失敗は「随意契約」にしてしまっただけ
2018.3.24 08:00
http://www.sankei.com/politics/news/180324/plt1803240006-n1.html(中)財務省は忖度しない
2018.3.25 05:00更新
http://www.sankei.com/politics/news/180325/plt1803250003-n1.html
特に「(上) 近畿財務局の失敗は「随意契約」にしてしまっただけ」は、ここでまとめた記事とほぼ同じ内容が簡潔に書かかれており、更に以下のようなことが述べられていますが、説得力ある説明だと思いました。
- 決裁文書の作り方の文化も、本省と財務局では全く違います。本省では決裁文書1枚に契約書のコピーを添付する程度で経緯は書かない。一方、財務局では自分の作っていた経緯のメモも含めて決裁文書にすることがよくある。財務局は国有地の他に、相続の際のいわゆる「物納」の案件も扱います。いわくつきの物件も多いので、きちんと経緯を残しておく。引き継ぎ資料としても使うこともあります。
- 野党は「関与があった」「忖度(そんたく)があった」といいますが、陳情案件なので近畿財務局が経緯をすべて書くのは普通のことです。忖度があったのなら怖くて名前を書き込めないでしょう。むしろ、こうした陳情に応じず「俺たちは仕事を適正にきちんとやっている」という証しとしてメモを残していたんですよ。
あわせてこちらもお読み下さい。
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