【リサイクル】プラマークのもう一つの意味は?/川崎市のプラスチックゴミ収集
川崎市に限らず、ゴミを分別する際に「プラ」マークが付いた容器などはリサイクルのために分別している自治体は多いのではないでしょうか?
プラマークとは下のようなマークで、容器や包装に付いているのをご存知かと思いますが、リサイクル可能なプラスチックゴミという言う意味です。
以前からプラゴミの分別のしかたに疑問があって、川崎市の担当部署に問い合わせたところ、プラマークの本当の意味が分かりました。
プラスチック製だけどプラゴミとして捨ててはいけないもの
川崎市はゴミの分別が比較的緩いことで知られています。
リサイクルされる古紙(同じ日に乾電池)、ペットボトルとガラス瓶、プラスチックゴミ、小物金属(鍋や針金ハンガー、傘、等)は分別して決まった日(曜日)に出すことになっていますが、それ以外は普通ゴミという扱いで収集して貰えます。(新聞紙は町内会の収入とするために町会で集めていますが。)
このように分別は義務づけられていますが、普通ゴミに古紙やプラゴミを混ぜてはいけないということもなく、どこかの自治体のように、開封されてチェックされるようなことはありません。ブログ主も汚れを落とすのが面倒なプラゴミ、マヨネーズ容器とか油で汚れたトレイとかは普通ゴミに混ぜることもよくあります。
下はたまたま先日市から貰った最新版のゴミの捨て方パンフレット(市のサイト(環境局生活環境部収集計画課)にも同様のページはあります。)ですが、プラゴミとして出してはいけないもの(普通ゴミとして捨てる)のリストを見て、あれっと思いました。
CD(DVD)、ビデオテープ(ケース含む)、タッパー類、ストロー、スプーン、フォーク、歯ブラシ
洗面器、PPバンド、インクカートリッジは対象外なのです。
CDやDVDそのものはともかく、そのケースとか、スプーンやPPバンドもダメなのだそうです。(今までプラゴミとして捨ててました... )
これがなぜいけないのか?と疑問を持って問い合わせたわけですが、実は、プラスチックの容器を作っているメーカや容器を使っている食品などのメーカ(=特定事業者)には『再商品化義務』というのが課せられていて、メーカーはリサイクルのためのお金(=拠出委託料)を拠出しているのだそうです。
そして、その証がプラマークなのです。
拠出委託料は容リ協(日本容器包装リサイクル協会)経由でリサイクル業者や地方自治体に配分されます。(容リ協HPより)
「特定事業者」とは、
1. 「容器」「包装」を利用して中身を販売する事業者
2. 「容器」を製造する事業者
3. 「容器」および「容器」「包装」が付いた商品を輸入して販売する事業者
のことをいいます(ただし小規模事業者等は適用除外)。
リサイクル(再商品化)義務のある対象素材は、「ガラス製容器」「PETボトル」「紙製容器包装」「プラスチック製容器包装」です。
つまり、プラマークが付いていないプラスチック製品はリサイクルが義務づけられておらず、そのための費用を払っていないので、リサイクルの対象にならないと言うことです。
上の説明を読むと、ペットボトルや紙のマークも同様ですね。(古紙はチラシなども収集してくれますが。)
なお、市に質問したところ、収集されたプラスチックゴミは人の手で汚れのひどいものなどを取り除いているそうです。(多分、リサイクル対象外のものもここで除外されていると想像します。)
川崎市は、カップ麺の容器は軽くすすぐだけでOKとか、歯磨き粉のチューブも使い切った状態ならOK、菓子袋(ポテトチップスの袋など)は開いてカスをははらった程度でOKとしているのですが、洗えるものは洗った方が良さそうですね。大袋の中にプラゴミを包んだ小袋を入れてはいけないというのも理解ができます。
本当は資源ゴミの自治体内でのリサイクル率なども知りたかったのですが、電話に出た担当者の方が、上記のようなことだけでも折り返し電話で回答してくれるとのことだったので、申し訳なくて簡単な質問にとどめました。
と言うのは、最近、日本の資源ゴミは大量に海外-特に中国-に輸出されているというのをニュースで見たからです。
中国が資源ゴミの輸入を全面禁止に
中国は今年(2018年)から古紙やプラスチックなどの資源ゴミの輸入を停止しました。
ブログ主がたまたま見ていないだけかもしれませんが、欧米では割と大きなニュースなのに日本ではそれほど報じられないのが不思議な気がします。ブログ主も、古紙とプラゴミのニュースを別々にですが、BS1のワールドニュースか世界のトップニュースで見ました。
プラゴミの話題は数日前に世界のトップニュースの「特集ワールドアイズ」のコーナーで観たのですが、そのときに映し出された中国への主な輸出国は日本がトップ(香港経由も含む)でした。(『中国 資源ごみ輸入禁止の波紋』)
JETRO(ジェトロ/日本貿易振興機構)の方が出演して解説していらっしゃいましたが、JETROのサイトにも後述のようなレポートを見つけました。
元々、石油からプラスチック製品を作るよりは廃プラから製造する方が安上がりだったから輸入していたが、リサイクル工場から排出される汚染物質が問題視されての今回の措置のようです。
番組ではイギリスのゴミ処理場(分別作業)の風景が映っていましたが、ゴミは古紙もスチール缶もプラスチックも一緒くたに収集されて処理場で機械的に分別されるため、不純物が入り込むそうで、それに比べると日本では家庭で分別してから収集されるので、質の良い資源ゴミではあるようです。
ちなみに、ドイツでもリサイクル対象を示すマークは一種類で、専用のゴミ袋に一緒くたにしていました。ドイツは徹底していて、水が汚れるから洗うなとも言われましたが、後からドイツ人に聞いたら、収集日の間隔も空いていて、放っておくと悪臭を放つので洗っているそうです。
番組では、日本も影響があるという話でしたが、廃プラの輸出総量自体は減っているようです。
減少している理由までは説明されなかったのですが、ブログ主は減少した分が日本国内で消費されているのかどうか知りたかったのです。
これを市の職員の方に質問するのは無理があると思ってしなかったのですが、少しヒントになるようなことを教えて貰いました。
それは、廃プラからプラスチック製品というリサイクルではなく、新たな素材に作り替えるリサイクルをしているようで、NFボードとかアルコール、合成ガスなどが作られるとのことです。
このこととは別に、中国のこの措置により100均などの安価なプラ製品に影響がありそうな気がしますが、どうでしょうか。
【参考】JETROレポート
【JETRO】資源ごみの輸入禁止へ、環境への悪影響を配慮
(中国)
2017年09月15日 中国北アジア課
(部分的に引用)■国務院は7月27日、「海外ごみの輸入禁止と固形廃棄物輸入管理制度改革の実施計画」を発表した。12月31日から施行され、環境への悪影響が大きい資源ごみの輸入が禁止されることとなった。また、環境への影響度に応じて、輸入縮小を進める一方、国内での資源ごみの再利用を促すとしている。中国を廃プラスチックや古紙の主な輸出先とする日本の業界では、影響を懸念する声が出ている。
■「計画」では、「環境リスクや産業の発展度合いなどに基づいて、業種別、種類別に輸入禁止のタイムテーブルを制定し、固形廃棄物の輸入リストを分類、調整する」としている。具体的には、「2017年末までに生活ごみとして出される廃プラスチック、未処理の古紙、繊維系の廃棄物、バナジウムスラグなどの輸入を禁止する」とした。また、2019年末までに「固形廃棄物輸入リストを分類、調整し、輸入固形廃棄物の種類と数量を大幅に減少させる」ともしている。これらのリストは、環境保護部、商務部、国家発展改革委員会、税関総署、国家質検総局の5部門が作成する。
日本は廃プラや古紙の主な輸入先
■なお、中国の貿易統計によると、2016年の中国の廃プラスチックの輸入量は734万7,200トンで、そのうち日本からが約84万2,000トンと約1割を占め、香港に次ぐ輸入先となっている。また、2016年の古紙輸入量は284万9,841トンで、そのうち日本からは約28万4,310トンと約1割を占め、米国、英国に次ぐ輸入先となっている。日本の貿易統計をみても、廃プラ輸出の約5割、古紙輸出は約7割が中国向けとなっており、日本への影響は小さくないと考えられる。中国への古紙輸出に影響が出るとの懸念や、中国の再生資源輸出市場が消滅するかもしれないとの声を伝える報道もある。
現時点で、輸入ごみ管理リストは出そろっておらず、決まっていない点も多い。今後とも資源ごみ輸入に対する中国政府の動きを注視していく必要があるだろう。
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