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2018/01/23

【朝日/慰安婦報道】『ニュース女子』奧茂治氏が語る謝罪碑書き換え事件判決/訂正記事まとめ

公開: 2018/01/23  最終更新: 2018/02/22 9:11

以前、宣言していましたが、朝日新聞の慰安婦報道の捏造が発覚したときに保存しておいた当時の訂正記事などの画像をまとめておこうと思います。

これを思い出したのは、たまたま昨日の『ニュース女子』(TMX1/東京メトロポリタンテレビジョン)で「謝罪碑書き換え事件」を取り上げたのを観たからです。番組では、被告となっている奧茂治氏と中継を繋ぎ、ゲストに大高未貴氏を迎えていました。大高氏はこの問題について取材し、『父の謝罪碑を撤去します』(副題:慰安婦問題の原点「吉田清治」長男の独白/産経新聞出版)という著作があります。

まずは、この内容をまとめます。

 

 

 

 

 

ニュース女子 2018/01/22放送内容

または、下記URLから。

またも覆された慰安婦問題日韓合意!文政権の思惑は南北統一!?その驚くべき内幕とは…?
謝罪碑書き換え事件・奧茂治氏についに判決!本人が語る韓国の実態とは?

【番組内容】

  1. またも覆された慰安婦問題日韓合意!親北・文政権の思惑は南北統一!?
    日本にも協力者!?
    南北会談でわかった朝鮮半島情勢とは?
  2. 謝罪碑書き換え事件・奧茂治氏についに判決!本人が語る韓国の実態とは?
  3. 絶好調!中国経済!果たして2018年はどうなる?習近平国家主席の掲げる「一帯一路」の真の目的は? 
    AIIBって〇〇!?中国バブル崩壊はあるのか?

【出演者】
MC: 長谷川幸洋(東京中日新聞論説委員)

西川史子(タレント、医師)、須田慎一郎(経済ジャーナリスト)
末延吉正(東海大学教授、ジャーナリスト)、藤井厳喜(国際問題アナリスト、評論家)、井上和彦(軍事ジャーナリスト)、高橋洋一(元財務省官僚、嘉悦大学教授)、近藤大介(「週刊現代」特別編集委員)

大高未貴(ジャーナリスト)、奧茂治(元自衛官)
吉木りさ、脊山麻理子 ほか

* * * *

※『ニュース女子』はTMX1では月曜 22:00 – 23:00に放送されますが、他の地方でも数日遅れで放送するローカル局が増えてきているので、YouTubeのDHCテレビチャンネルにupされるのは放映が終わった後になります。

 

「謝罪碑書き換え事件」とは

産経の解説を引用します。

【用語解説】謝罪碑書き換え事件

 韓国・済州島(チェジュド)で「奴隷狩りのように女性らを強制連行した」と偽証した故吉田清治氏が1983年に著書の印税で韓国・天安市の国立墓地「望郷の丘」に強制連行を謝罪する石碑を建立。那覇市に住む奥茂治被告は今年3月、吉田氏の長男の委任を受け、碑の上に別の石板を貼り付けて「慰霊碑」に書き換えた。今月21日に初公判が開かれ、検察は懲役1年を求刑した。

http://www.sankei.com/world/news/171224/wor1712240020-n4.html

(2017.12.24)

Newsj04_sankei20170513

3月に「謝罪碑」から「慰霊碑」に書き換えられた「望郷の丘」の碑文

 

Newsj01

Newsj02

 

下は現在の慰霊碑の様子。面白いのは、元の碑文が再び戻されましたが、奥氏が設置した碑文は撤去するわけではなく、ずらして設置、更に新しい説明板を設置してくれています。

 

Newsj05

Newsj06

 

 

下は、この裁判を報じる産経と朝日の記事ですが、朝日は「元自衛官」を殊更に強調した嫌らしい見出しになっています。

 

【産経】検察、懲役1年を求刑「問題歪曲しようとした」 奥茂治被告の初公判

2017.12.21 14:07更新

(一部引用)

 奥被告側は、謝罪碑の所有権は撤去を依頼した吉田氏の長男にあり、公用物を損傷したとの認識はないと主張。検察側は、求刑理由について「国際的に認定された慰安婦問題を歪曲しようとし、韓日外交に新たな摩擦を生じさせる可能性がある」と指摘した。

 吉田氏の長男も取り調べを受けないまま、教唆罪で在宅起訴されたが、日本にとどまっており、出廷しなかった。奥被告は今年6月、韓国警察の出頭要請に応じて訪韓し、一時拘束されて以降、出国禁止措置が約半年に及んでいる。

 起訴状などによると、奥被告は「父の嘘の謝罪碑を放置すれば、日韓友好を妨げ、負の遺産になる」という吉田氏の長男の依頼を受け、3月に中部、天安市の国立墓地に建つ碑の上に別の石板を貼り付け、「強制連行」の謝罪文を「慰霊碑」という簡潔な文言に書き換えた

【産経】「何年かかっても吉田証言の嘘訴える」 慰安婦碑書き換えの奥茂治氏、出国停止180日 異論拒絶する韓国の壁

2017.12.24 19:12更新

【朝日】韓国国立墓地の碑損壊、元自衛官に懲役1年求刑

ソウル=武田肇 2017年12月21日20時06分

https://www.asahi.com/articles/ASKDP5TKRKDPUHBI020.html

 韓国の忠清南道天安(チュンチョンナムドチョナン)市の国立墓地「望郷の丘」内の碑を損壊したとして、公用物件損傷などの罪に問われた元自衛官の奥茂治氏(69)の公判が21日、大田地裁天安支部で開かれ、検察は懲役1年を求刑し、即日結審した。判決は来年1月11日に言い渡される。

 検察によると、奥氏は今年3月、望郷の丘を訪れ、戦時中、日本に労務動員されて亡くなった人たちを追悼する「謝罪碑」の上に「慰霊碑」と記した石板を張り付けた。碑は故吉田清治氏が1983年、「徴用と強制連行を実行指揮した日本人の一人」としての謝罪を刻んで建立した。

 検察は公判で「両国間の対立を招きかねない」と指摘した。

 吉田氏は生前、戦時中に済州島で女性を慰安婦にするため無理やり連行したと証言。朝日新聞は2014年、吉田氏の証言を虚偽と判断し、関連する記事を取り消した

 

奧茂治氏は何を訴えたいのか

『ニュース女子』で流れた奥氏へのインタビューは判決後まもなく収録されたようですが、有罪判決を報じる産経の『奥茂治被告に猶予付有罪判決「故意があり、緻密に計画」』(2018.1.11)では、“記者団に控訴するかについて「吉田氏の碑文が嘘だということが判決文で認められているかを見て決めたい」と述べた。”そうですが、番組では「判決は妥当である」としながらも16日に控訴をされました。

 

それはなぜか?

 

Newsj03

 

上の画像は、判決後に韓国マスコミから受けた質問とその答えをテロップにしたものですが、なぜ控訴するのかとの質問に「私の主張が判決に反映されていない」と答え、更にマスコミからその主張とは何かと聞かれ、「外国まで来てわざわざ犯罪を犯したのは、この碑文が嘘であることを韓国の方に知って欲しいから」と答えたそうです。

「吉田清治の証言が嘘だから、謝罪碑を壊した」と判決文に書かれなければ、「無罪判決でも控訴した」と仰っていました。

 

この目的が達成できたら「そのためにこの刑を受けたとしても別に悔いはない」のだそうです。

 

求刑の後のマスコミ取材でも「すでに朝日新聞は過去の慰安婦報道記事を取り消している」と韓国メディアに伝えることができ、それが聯合(れんごう)ニュースでも流れたことを確認したそうです。

 

奥氏は番組内インタビューの冒頭で、この判決を受けて「韓国の検察や警察は私にはめられたと思っている」とも仰っていましたが、これらのことを聴いて、納得ができると思います。

 

【2018/01/27追記】公判は通訳の不備があり判決文の一部が通訳されなかったのですが、後日判決文に目を通したところ、“自ら訴えてきた事件の背景に「吉田氏の偽証」がある点が盛り込まれたと判断し、(控訴の)取り下げを決めた”とのことです。しかし、“碑の所有権の確認や碑の完全撤去を求め、民事訴訟を起こすことも検討している”そうです。

 

2018.1.24 23:46更新

【「慰安婦」謝罪碑書き換え】
奥茂治被告が控訴取り下げ 210日超の出国禁止が解かれ帰国の見通し


【ソウル=桜井紀雄】朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が韓国中部、天安市の国立墓地に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷罪などに問われた元自衛官、奥茂治被告(69)は24日、懲役6月、執行猶予2年の有罪とした1審・大田地裁天安支部の判決に対する控訴を取り下げた。奥被告が明らかにした。

 控訴取り下げで1審判決が確定すれば、奥被告は昨年6月の出頭から7カ月間に及んだ出国禁止措置が解かれ、近く帰国する見通しとなった。

 奥被告は、1審で求刑などが通訳されない不備があったとして控訴したが、判決文に自ら訴えてきた事件の背景に「吉田氏の偽証」がある点が盛り込まれたと判断し、取り下げを決めたという。判決文には、吉田氏の長男が、父親の嘘が原因で慰安婦問題が起きたと考え、碑の撤去を依頼した経緯が明記された。

 奥被告は今月11日の判決後、「量刑に不服はなく、重要なのは吉田氏の嘘が判決文に盛り込まれているかだ」と話していた。

 帰国後には、碑の所有権の確認や碑の完全撤去を求め、民事訴訟を起こすことも検討している

 

 

関連する記事として以下の記事を貼っておきます。

 

奥茂治被告に猶予付有罪判決「故意があり、緻密に計画」

2018.1.11 16:33更新

 【天安=桜井紀雄】朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷などの罪で在宅起訴された元自衛官、奥茂治被告(69)の判決公判が11日、大田(テジョン)地裁天安(チョナン)支部で開かれた。裁判官は「故意があり、犯行を緻密に計画した」として、懲役6月執行猶予2年(求刑・懲役1年)を言い渡した。(以下略)

 

菅義偉官房長官「奥茂治氏に適切な支援を行なっていく」 韓国の慰安婦謝罪碑書き換えで出国禁止

2017.6.26 23:55更新

 菅義偉官房長官は26日の記者会見で、朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した吉田清治氏(故人)が韓国に建てた「謝罪碑」を無断で書き換えたとして韓国警察に一時拘束され、出国禁止となっている元自衛官の奥茂治氏について「邦人保護の観点から、必要に応じて在外公館などを通じて適切な支援を行っていきたい」と述べた。(以下略)

 

挺対協の団体発足会見に国会の会議室を借りた国会議員は誰か?

なお、このテーマの中で、挺対協(韓国挺身隊問題対策協議会)の話題が出てきました。以下、それについて補足しておきます。

 

Newsj07

 

この尹美香(イ・ミカ/ユン・ミヒャン)という挺対協代表が中心となって日本で「希望のたね基金」という団体が設立されましたが、この記者会見は国会で行われました

挺対協と言えばご存知の方も多いと思いますが、各地に慰安婦像を建てている団体であり、日韓合意で決まった和解金(?正式な名称はよく分かりませんが)を絶対に受け取らない元慰安婦はこの挺対協の関係者です。

 

下はそれを報じる朝日の記事。

 

Newsj08_asahi20170610

 

  • HP: https://www.kibotane.org/

 

大高氏はこの記事の「国会内で」という言葉に目が留まり、誰が手配をしたのか調べたそうで、この話題は実は、2017/06/23放送の虎ノ門ニュースで取り上げ、番組内では音声が消されていた名前をはっきりと言っています。(リンクは該当の箇所から。動画はそろそろ掲載期限が近いようです。)

だいたい想像はついている方も多いかと思いますが、辻元清美です。

 

 

一旦ここまでで公開します。

 

朝日新聞の慰安婦報道の捏造訂正記事一覧

ブログ主が保存しておいた当時の新聞記事を以下に掲載予定です。

 

■『慰安婦問題の本質 直視を』(2014/08/05) 

下は朝日の訂正記事が掲載された頃に書いたエントリー(2014/09/14付)に掲載した画像です。訂正記事が掲載された8月5日に編集担当の杉浦信之記者が書いた記事の一部ですが、朝日新聞の姿勢をある種象徴する文章なので、あらためて転載します。

 

 

20140805_asahi01

 

日本で公娼制度が廃止されたのは、連合軍総司令部(GHQ)により1946年、その後も黙認されていた赤線・青線が廃止されたのは1958年売春防止法です。それを、この文では、ボスニア紛争での強姦事件という90年代のモラルを持ち出して、問題をすり替えています。

朝日の姿勢は、吉田証言により騙されて誤報を掲載したという被害者意識が滲み出ており、都合のいい情報を得たことでこれに乗じて散々日本叩きをやったことには何ら反省していません。

下はこの記事の全文です。

20140805_00s

 

■過去の記事の検証結果(2014/08/05)

20140805_01

20140805_02

 

■新聞販売店宛に出したレター(2014/08/18)

読者からの苦情を受けた(?)販売店宛に出したと思われるレターで、「朝日新聞の過去の報道に対して、言われなき批判」と開き直り、「他のメディアもやってたのになんでウチだけ」と怒り、最後はお決まりの「人間の尊厳を軽視するような論調こそが、むしろ国際社会の中で日本が異端視され、孤立することにつながります」と問題のすり替えをやっています。

 

20140818_ASA

■池上彰氏のコラム『新聞ななめ読み』(2014/09/14)

本来は訂正記事を出した直後に掲載されるはずであった池上彰氏が執筆するコラム(『新聞ななめ読み』)を朝日が掲載拒否したことを池上氏本人が暴露したことから、再度非難され、1ヵ月以上遅れて掲載したもの。しかも、他の識者が安倍首相を批判するコラムとともに『オピニオン』のページに掲載された。

「池上彰コラム掲載拒否事件」は他からの意見には耳を貸さない朝日の体質を現している。

 

20140904_01.jpg

 

■2014/08/05の訂正記事を訂正する記事(2014/09/29)

ブログ主がメモ帳にコピペして保存していたもの。訂正記事でも虚偽を掲載していた。

 

【29日朝刊の社会面】と【朝日新聞デジタル】 2014年9月29日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11375306.html(既にリンク切れ)

『慰安婦特集記事の一部を訂正します 朝日新聞社』


 8月5日の特集記事「慰安婦問題を考える(上)」で、朝日新聞社は、韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽だと判断し、吉田氏に関する記事を取り消しました。初報は1982年9月2日付大阪本社朝刊の記事として、「執筆した大阪社会部の記者(66)は『講演での話の内容は具体的かつ詳細で全く疑わなかった』と話す」と記しました。しかし、その後、この元記者は当該記事の執筆者ではないことがわかりました。おわびして訂正します。

 元記者は社内の取材班の調査に対し、当該記事を含めて吉田氏に関する記事を数本書いたと認めていました。しかし、元記者がその後、海外への渡航記録を調べたところ、大阪市内で講演のあった82年9月1日時点で国内にいなかったことが判明し、記憶違いであることが確認されました。その後の吉田氏に関する記事は実際に書いていました。

 特集記事の掲載後、当時の大阪社会部にいた別の元記者が「吉田氏の記事を書いたことが1度だけある。初報は自分が書いた記事かもしれない」と名乗り出ています。

 初報が掲載された経緯については近く設置する第三者委員会の調査結果を踏まえて紙面でご説明します。

 

朝日の慰安捏造報道の経緯

朝日新聞の慰安婦捏造報道の経緯は右記のエントリー『朝日「慰安婦」報道の闇解明を!』で説明しています。

 

【追記】朝日新聞前社長が初めて綴った 「W吉田誤報」の内幕(文藝春秋 2018年2月号/文春オンライン)

以下の寄稿文を読むと、何らかの反省から検証したものではない、ということが分かります。

 

朝日新聞前社長が初めて綴った 「W吉田誤報」の内幕

文藝春秋 2018年2月号
http://bunshun.jp/articles/-/6111

 平成26年8月、朝日新聞は過去の慰安婦報道を検証し「吉田清治証言」を取り消した。だが謝罪がないことが批判を呼び、また翌月には元福島第一原発所長・吉田昌郎氏の「吉田調書」についても誤報が判明。責任を取って社長を辞した木村伊量氏(64)が当時を振り返って綴る。

◆ ◆ ◆

 朝日新聞社の社長を平成26年末に辞して以来、わたしは沈黙を守ってきました。未曾有の混乱を招いた最終責任を取って社を去った者が、何を語ろうと弁解がましくなるのがおちで、胸の奥にすべて封印しようと考えたからです。一方で、当時の経緯やトップとしての判断を、できるだけ正確に書き残すことは、やや大げさなもの言いをするなら、歴史に対する責任ではないか、という思いが去来してもおりました。社を退いて3年。それなりの時間が経過したこともあり、今回、編集部の求めに応じたしだいです。

 慰安婦報道をめぐる経緯はおおむね、平成26年12月に出された「第三者委員会」の報告書にある通りです。社内では平成9年に一度、慰安婦報道を検証したのですが、いわゆる「吉田清治証言」の信ぴょう性には各方面から疑問が相次いでいたにもかかわらず、訂正や取り消しはせず、中途半端な対応にとどまった印象でした。

 平成24年6月に社長に就任してまもなくのことです。編集担当の役員から、前年に韓国の日本大使館前に慰安婦像が設置されるなど、慰安婦問題はさらに深刻化すると見られ、朝日としても内々に再調査する意向が伝えられ、同意しました。社のOBから「慰安婦問題を歴代の朝日トップはほおかむりしてきた。君の時代に決着させろ」という私信が届き、販売店ASAや若い記者諸君からも会合などで「いつまで誤報を放置するのですか」とたびたび詰問されるようにもなりました。

 平成26年になると、安倍政権が慰安婦をめぐる「河野官房長官談話」の検証に踏み出すという話も伝わってきました。そうした動きもにらみつつ、3月、後任の編集担当のもとに検証チームを立ち上げました。わたしは社内のある席でこう訴えました。「日本だけでなく、アメリカもドイツも中国も韓国も、触れられたくない『負の歴史』を背負っている。逃げずに過去を直視してこそ品格ある道義国家だ。来年2015年は日韓基本条約締結から50年。未来志向の日韓関係を訴えていくためにも、誤報はただし、後世の評価にたえる検証にしよう」

 社長室の机の片隅に「The buck stops here.(最終責任は自分が取る)」と書いた紙片を貼りつけていました。たとえ火の粉を浴びようとも不退転で臨む覚悟でした。

 その年の8月の検証記事掲載にあたっては危機管理の観点から、編集幹部もまじえた役員の会合で何度も議論しました。当初の紙面案には「おわび」がありましたが、それまでの朝日の慰安婦報道への全面的な謝罪だと読者に受け取られかねない、という意見が数人から表明され、ある役員は「謝り過ぎだ。これでは店(販売店)がもたない」と強く異論を唱えました。最終的にそのトーンで紙面化することが固まりましたが、社長のわたしが一貫して議論を主導したことは間違いありません。

 ただ、いまもって「安倍首相と何度も会い、彼の軍門にくだって、慰安婦報道を取り消したそうじゃないか」などと、いわれのない批判を受けるのには暗然とします。首相や政権の要路と慰安婦問題で話をかわしたことは一度たりともありません。(各社政治部長OBの会合を除くと)わたしが社長として首相に会ったのは平成25年2月7日、朝日の編集幹部2人とともに、ホテルの中華料理店にお招きした折だけです。

 池上彰さんとはいまも面識がありません。人気コラムの「新聞ななめ読み」は柔らかな筆ながら、こちらの痛いところをズバリと突く硬派ぶりに、「やられたなあ」と苦笑したものでした。このコラムに限らず、社長が外部筆者の原稿に紙面化の前に目を通すのはありえないことです。ただ、このときはどんな経緯だったのか、慰安婦検証を取り上げた池上コラムのゲラが、わたしのもとに持ち込まれました。一読して「役員全員で検証記事のトーンを決めたのに、『おわびがない』という一点をもって検証記事の意味はなかったと言われ、読者の不信を買うようなら、ぼくは責任をとって社長を辞めることになるよ」と、かなり厳しい調子でコメントしたと記憶しています。

 掲載までまだ時間はあるし、修正をお願いしようという話になりました。詳細は承知していませんが池上さんとの交渉は難航したようで、今回は掲載を見合わせてなお交渉を続けるとの報告を受けました。「コラム打ち切り」を指示した事実はありません。それがほどなく、途中経過が週刊誌にスキャンダルとして報じられ、わたしは新聞社にあるまじき「言論封殺」に手を染めたとして断罪されることになったのです。

 のちに第三者委員会による聴取で「あなたの発言を下の人が『社長の意向』だと忖度したことに責任は感じないか」と問われました(そう、昨今話題になることが多いあの「忖度」です)。「そう思われたというのなら、あえて反論はいたしませんが」と答えたように思います。

 だれにでも臆せずにものが言える自由な社風の中で育ち、部下に理不尽な権力をふるった覚えもありませんが、危機管理意識が過剰だったのか、そこは大きな反省点です。「経営と編集の分離」も改めて問われました。「編集内容に対する最終責任は経営、編集管理者に帰せられる」と戦後間もない昭和23年から継承される日本新聞協会編集権声明にありますが、ふだん、社長が社説や記事に干渉することなどありません。新聞社のトップがまず心すべき編集権の擁護とは、ときの政治権力や資本(大株主の創業家など)の介入を防ぐことです(詳しくは申せませんが、この点では社長時代に思いきった環境整備をはかりました)。

暗転した「吉田調書」報道

 追い打ちをかけたのが、東電福島第一原発をめぐる「吉田調書」報道でした。平成26年5月20日の朝刊トップ記事を見て、「超ド級のスクープだ」と小躍りしたものです。ところが、日がたつにつれて、「吉田所長の命令に違反」という記事の根幹部分を疑問視する声が社外から相次ぎ、事態は暗転。わたしの記者会見当日の未明になって「編集としては記事の全文取り消しもやむをえません」とのメモが入りました。「それは編集局の総意なの?」。仰天したわたしは編集幹部に問いただしました。ならば、何をか言わん。ジャーナリズムの信用を失墜させた責めは免れません。信頼回復への一定の道筋をつけたうえで社長を辞任するハラをひそかに固めました。

 調査報道に実績があり、優秀で信頼していた記者たちによる過ちだけに、いまも悔やまれてなりません。しかし、調査報道こそはジャーナリズムの明日を切り拓く「道標」です。現役記者の皆さんは手痛い躓きに教訓を学んでも、けっして萎縮することなかれ。正確で重心の低い調査報道に、勇気をもってチャレンジし続けてもらいたいと願っています。

 

 

 

 


 

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コメント

【ブログ主】
コメント、ありがとうございました。
こちらも励みになります。

いつも興味深い話題を提供して下さって、ありがとうございます。
裏付けとなるソースや関連する本などの情報も掲載してくれるので、参考になります。
今後も楽しみにしています。

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