【国会】自民党・西田昌司参議院議員が反論 与野党質疑時間配分変遷の理由(動画)
現在話題になっている国会での与党と野党の質疑時間の配分ですが、現在、なぜ衆議院で与党2:野党8という歪な配分になっているのか、自民党の議員がネットで発信しています。
過去に、下記の2つのエントリーを公開しましたが、追加として記事にします。
まずは、こちらの自民党参議院議員・西田昌司氏のビデオレターです。
会期の件も含め、マスコミが野党側の言い分しか報道しないので、与党側の真意をビデオレターで発信したようで、12分ほどの動画ですが、趣旨をまとめると、以下のようになります。(ブログ主の便宜上項番を振っています。)
- 会期については、元々、与党側も1ヵ月くらい必要だと認識していた。
- 衆議院の質問時間について、与党2割、野党8割は、今回急に出た話ではなく、かなり前から問題となっていたが、あらためて今回申し入れた。
- この2:8という割合は、民主党小沢幹事長の方針で設定された。小沢さんの持論は「政府は与党と一体だから、与党の質問時間は要らない」ということで、代表質問自体、その当時しなかった。
- しかし、さすがに予算委員会でなにもしないのはどうか?ということで、この割合になった。
- 参議院については、(衆議院と同様野党の配分が多かったが)自民党が野党時に、「いずれ我々も与党になるので、この配分は問題だ」と脇雅史国対委員長と山本一太政審会長(政策審議会会長)が、野党であったが与党側に配慮して時間を返した。それで参議院では良識のある時間配分となり、衆議院のような問題は起きていない。衆議院は長年放置されていた。
- 質問は、多面的になされる必要があり、与党ならではの視点のものもある。森友問題でも私は(野党がしないような視点で)質問をしたが、マスコミは報道してくれなかった。
- 安倍総理は(7割の議席数という)数の多さに奢り高ぶっているわけではないが、マスコミは批判的な論評しかしない。不勉強なのか、知っててやっているのか。
- あまりに歪(いびつ)な時間配分は国民のためにもならない。実際、野党は時間だけ長くても、(質問内容のすりあわせができていないので)入れ替わり立ち替わり同じ質問をする。必然的に、同じ答えをせざるを得ない。
3に関しては前回の記事でご紹介した朝日新聞の記事と一致します。
6に関しては、確かに森友学園の問題では、(日本維新の会と日本のこころを除く)野党は、本質的な質問をせずに、総理や総理夫人が関与しているという前提で、100万円の領収書だのファックスだのの質疑ばかり、それも西田氏が言っているように、誰が出ても同じ質問ばかりくり返していました。
国会中継をネットでアーカイブスから視聴していたブログ主にはそれは何度も目にしましたが、ニュースなどでは切り取った映像しか流されないので、それしか見ない国民は知らないのでしょう。
もう一つ、こちらの動画でも自民党の和田正宗参議院議員と平井卓也衆議院議員が語っていて、実はブログ主は最初にこちらの動画を観たのですが、ここで語られていることが西田氏のコメントで裏付けられました。
- 動画: 【カフェスタ特番】 国会開会&衆院選を振り返る 平井卓也広報本部長、和田政宗広報副本部長(2017.11.1) (4m46sを指定)
与野党の質疑時間配分について語っているのは7分頃からですが、前々回の虎ノ門ニュースの青山繁晴氏の話と関連する話題のところから指定しています。
ここで、与野党の「筆頭理事」という言葉が出てきますが、これはいわゆる議運(議院運営委員会)の理事のことで、議院の運営などを与党(自民党)と野党の筆頭、つまり、第1党の代表と協議します。(但し、もっと重要なのは国対委員長) 野党の第1党は野党代表として好き勝ってできる(する)のです。
ここで、それに関連する発言を文字起こしておきます。
平井: 維新をまた虐めそうな感じもしないではないですね。
和田: 民進党時代にはさんざん維新が減らされたり。
平井: そうなんです。質問時間ね。もう、維新、かわいそうだったですね。
和田: かわいそうだったですね。これ、あの、ちなみに、与党と野党で何対何の配分にするのかって決めた後、野党でどういう配分にするのかっていうのは野党の筆頭理事の裁量。
分かりますか?民進党は野党の筆頭という立場を利用して、他の野党の質疑時間を削って虐めていたということを言っています。
これも、もちろん報道なんてされませんが、国会を日頃見ていて政治家の発言などに多少詳しい人間には有名な話です。
この後、和田氏が「参(参議院)の方は4:6に近いんじゃないかな」と発言し、平井氏が「自民党(が野党)の時に(そう)なった」と言っています。これの裏付けが前述の西田氏のコメントという訳です。
これを、前回の記事に書いたように日経新聞は、元民主党(現立憲民主党)の長妻氏の発言「野党時代の自民党が強く主張して今の配分比となった。」はそのまま伝えたのに、「自民党の指摘だが公式な集計はない」と偏った報道をしています。
平井氏は「法案質疑(文字通り、法案に関する質疑)はともかく、一般質疑(日頃から疑問に思っていることや問題としていることを自由にできる質疑)も2:8では明らかにおかしい」と指摘し、参議院議員の和田正宗議員は「衆(議院)の方、そうなんですか。」と驚いています。
そのあと、「ランキング」という話をしていますが、これはNPO法人「万年野党」(※)が国会議員を質疑時間や法案提出数で勝手に格付けして『三つ星データブック』なるものを発効しているのです。
想像がつくと思いますが、これでは与党の議員は格付けが低くなります。質疑の質は吟味されないため、下のように福島瑞穂氏(社民)や仁比聡平氏(共産)が高位にランキング付される結果になります。('A`)
日頃、国会中継をご覧になっている方には、この2人の質疑の質はよく分かっていらっしゃると思います。
※ なお、このNPO法人『万年野党』とはメンバーが面白く、会長は田原総一朗氏なのですが、メンバーの中に国家戦略特区ワーキンググループの八田達夫氏や原英史なども名を連ねています。あくまでも、質問時間や議員立法の数(成立したかは不問)等、客観的な数値のみでランク付けをしています。
ここまで自民党の議員が言っても日経はまだ、自民党だけが勝手に言っていることと言うのでしょうか?
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