【沖縄】『自己決定権回復運動』とはなにか【虎ノ門ニュース(2017/11/28)】
最終更新: 2017/11/29 15:17
11月29日(水)の『虎ノ門ニュース』をYouTubeで再生して観ていたら、聞き慣れない言葉、正確には、どこかで聞いたことがある言葉なのですが、気になる表現がありました。
それは、“self-determination”(「自己決定」)という言葉で、言葉の響き自体はどうということがない言葉なのですが、出演者の有本香氏の言い方がなにか含みのある感じがしたので調べてみました。
沖縄における「自己決定権(回復運動)」とはなにか
この記事に説明があります。
琉球の魂 取り戻す 沖縄出身研究者ら 祖先の足どりたどる
2017年7月16日 東京新聞
沖縄でかつて本土から差別された祖先の琉球人の足跡を探る動きがある。戦前に本土の人類学者により地元の墳墓から持ち出された遺骨の返還要求と、明治の琉球処分(琉球併合)時に琉球王国の救国を訴え、宗主国の清国(中国)に亡命し、北京で死亡した琉球人の墓の保存運動だ。沖縄出身、在住の研究者らが主体。今なお続く差別的な状況の中で、沖縄が本来持っている「自己決定権」を取り戻す運動の一つでもある。 (白鳥龍也)
つまり、『自己決定権』という言葉には、
“沖縄は日本に併合された”ものであり、“本来は中国の属国”であるという意味が含まれているのです。
参考までに、一般的な意味は、下のようなものです。
じこけってい‐けん【自己決定権】
(self-determination)自分のことを自分で決める権利。国家の独立と内政不干渉の権利や、医療方針の決定などで個人の自律性が尊重される権利。
広辞苑 第六版 (C)2008 株式会社岩波書店
“ペンネーム”のような記者のお名前から連想したわけではありませんが、番組の中で『龍柱』にも言及されていたのを思いだしました。
上の画像は龍柱に反対する運動(ブログ記事)の署名用紙(画像)からお借りしたものですが、ここにある「4本爪」というのについて、署名用紙には「属国の証」と紹介されています。
もう少し補足すると、
ブログ主は仕事で台北に出張した際、週末に現地スタッフから故宮博物院を案内して貰ったことがあります。そこで、「5本指(爪)の龍のモチーフは皇帝しか使えなかった」と聞きました。今でこそラーメン丼(どんぶり)にさえ5本指の龍が描かれていますが、かつては皇帝以外には許されなかったという意味で、この故宮博物院の収蔵物は北京の故宮=紫禁城=から蒋介石率いる国民政府が運び出したもので、“小さくて価値があるもの”を優先的に運び出したので、「ここにあるものが、いかに価値があるか」ということの例として、展示物に5本指の龍が描かれていると、案内してくれた台湾支店の現地スタッフがいちいち指摘していたのを覚えています。
4本爪というのはそういう意味で、「5本爪など畏れ多くて使えない」という姿勢の表れなのです。
なお、この龍柱は翁長雄志沖縄県知事が那覇市長時代に建てたものです。
翁長沖縄県知事による「自己決定権」回復を求める国会での演説
話を“self-determination”(「自己決定」)に戻すと、番組の中でその翁長県知事が沖縄の国連で行った演説の中に出てくると言っていました。
そこで探してみると、琉球新報の英文記事にありました。
Gov. Onaga gives speech at UN calling for stop to US Henoko base construction
September 22, 2015 Ryukyu Shimp Ryota Shimabukuro reports from Genevahttp://english.ryukyushimpo.jp/2015/09/22/23715/
On September 21, shortly after 5:00 p.m., Governor Takeshi Onaga gave a speech at the United Nations Human Rights Council in Geneva, Switzerland, speaking about the fact that Okinawans do not agree to the new base construction being carried out by the governments of Japan and the U.S. in Henoko, Nago, and arguing to the international community that the forceful implementation of the base construction plans constitutes a violation of human rights and must be stopped by any possible and legitimate means. Governor Onaga called upon the international community, stating, “I would like the world to pay attention to Henoko, where Okinawans’ right to self-determination is being neglected.”
It was the first time a prefectural governor from Japan gave a speech at the UN Human Rights Council. Governor Onaga emphasized that the overwhelming burden of military bases being shouldered by the Okinawan people is a human rights issue, hoping that rising criticism at home and abroad will prevent the new base from being constructed.
Governor Onaga emphasized the unjust nature of the demand by the U.S. and Japanese governments that a replacement facility be built within Okinawa in order for Futenma to be closed, stating, “After World War II, the US military took our land by force…we have never provided our land willingly.”
He also stated, “Okinawa only covers 0.6% of Japan. However, 73.8% of US exclusive bases in Japan exist in Okinawa. Over the past seventy years, US bases have caused many incidents, accidents, and environmental problems in Okinawa.” Based on this, he concluded, “Our right to self-determination and human rights have been neglected.”
Governor Onaga also mentioned the fact that candidates opposing the construction of a new base in Henoko won a series of important elections last year, including the gubernatorial election, the Nago mayoral election, and the lower house election. He announced his determination to prevent the base construction, stating, “I am determined to stop the base construction using every possible and legitimate means.”
(Translation by T&CT and Sandi Aritza)
日本語の記事はこちら。(日本語記事に演説動画あり)
要するに、
“沖縄の「自己決定」の権利が
(日本によって)無視されている”
という主張のようです。「自己決定権」については既に上で説明しました。
そして、
“それを回復しようというのが「自己決定権回復運動」”
なのです。
これを“沖縄県民は~”とひとくくりにするのは危険です。上でご紹介したブログのように、こうした動きに警戒感を持っている沖縄の方はたくさんいらっしゃいます。むしろ、多くの方は、沖縄の悪評をまき散らして、沖縄とそれ以外の日本を分断する行為に怒っています。
なお、この時、「県知事」の立場で国連に出席し、その費用約96万円(渡航・宿泊費、日当など)が公費から支払われたのは不適切という提訴が那覇地裁になされたことは、ごく一部のメディア(産経)くらいしか報じていないのではないかと思います。
最初に「自己決定権」というのをどこかで聞いたことがあると書きましたが、これは新聞の折り込みに入っている地元ニュース紙のようなものにあった小さな記事です。
ここにも「自己決定権回復運動」という言葉があり、ブログ主はこれを記憶していました。
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