【衆議院選】他党名義で選挙に出て選挙後は再結集を目論む民進党
最終更新: 2017/10/13 16:38
昨晩、テレビを観ていたら耳を疑うようなニュースがありました。
民進党参議院議員の小川敏夫氏が立憲民主党で出馬している候補の応援演説後、記者に囲まれて、民進党の再結集を目指すことを宣言したのです。
再結集を呼びかけた小川敏夫参議院議員
「民進党はこれからも存続」 FNNニュース10/12 21:58
https://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00373225.html
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20171012-00000225-fnn-pol
(リンク先に動画あり/以下引用)
民進党参議院の幹部は12日、衆議院選挙後に、希望の党で当選した人にも「復帰」を呼びかけ、民進党の復活を目指す考えを示した。
民進党の小川参院議員会長は、「民進党は不滅です。民進党は、これからもしっかりと存続します。立憲民主党、本当に信念を通している。よくわからないから、やむを得ず希望の党から立候補の人もいるでしょうし、無所属で信念通す人もいた。また、この選挙が終わったら、民進党を大きな軸として、しっかりと結集して、安倍自民党政権、絶対に打倒する。皆さまに約束する」と述べた。
民進党の小川参院議員会長は、東京都内での街頭演説で、民進党を党として維持すると表明した。
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そのうえで小川氏は、今回の衆議院選挙で当選した立憲民主党や、無所属の候補だけでなく、希望の党から立候補して当選した人も含めて、民進党を軸に結集を図りたい考えを強調した。
前原代表は、衆議院選挙後に、参議院議員も希望の党に合流する方針を示していた。
前原代表の方針について、小川氏は、記者団に対し、「議論も機関決定もしていない」と一蹴したうえで、「民進党参議院議員の過半数は、希望の党には行かない」と述べ、参議院議員が中心となって民進党を存続させ、再結集の受け皿とする考えを示した。
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民進党の幹部が、希望の党の当選者にも、民進党への「復帰」を呼びかける方針を示したことで、選挙戦にも少なからず影響を与える可能性がある。
今回、衆議院は解散となりましたが、参議院議員はそのまま民進党議員として残っており、衆議院議員の前職に対しては民進党からは公認がないので、党籍を残したまま無所属で出馬している候補、立憲民主党や希望の党から立候補している候補者がいる状態です。
念のため、ここに至る経緯を簡単に書いておくと、
7月に行われた都議選の惨敗、以前から懸案事項となっていた蓮舫代表の二重国籍問題の疑惑が晴れないまま求心力を失い、支持率も7%前後と低迷している中、離党する議員も現れ蓮舫代表は辞任(実際は内部からの「蓮舫おろし」)、9月に前原誠司代表の新体制で新生民進党がスタートを切ったばかりでした。
前原氏と代表の座を争ったのは枝野幸男氏。大きな争点は、共産党との共闘を行うか否かで、以前、共産党を「シロアリ」呼ばわりするほど嫌っていた前原代表の誕生で一旦は路線が定まった観はありましたが、希望の党(当時は、若狭氏、民進党から離脱した細野氏等を中心とする新党)への離党者は止まらりませんでした。
ここで、衆議院解散となり、このままでは選挙を戦えないとした前原氏と希望の党の小池百合子代表との密談で民進党が希望の党へ合流することが決まり、若干の反対あったものの、結果は民進党の両院総会で全会一致で了承されましたが、民進党の左派やかつての役職者等が“排除”されることが分かり、野田氏や岡田氏等、一部は無所属で立候補、排除された左派の中心人物である枝野氏は新たに立憲民主党を立ち上げ、残りの前衆議院議員はそれぞれ選挙戦の思惑により、希望の党、立憲民主党、無所属と立場を変えて選挙に臨むことになりました。
ここで、左派の立憲民主党は共産党との選挙協力(要するに、左派の票が割れないように共産党が立候補者を下ろし、立憲民主党へ票を集める戦法)をすることと、『アンダードッグ効果』(判官びいきによる同情票)による追い風が吹き、公示前より大幅に議席を伸ばすと見られています。希望の党は小池氏の失言などによる逆風を受けて厳しい選挙となる見通しとなっています。
このような状況で選挙に臨み、その後、民進党の再結集を目指すと言うことは、選挙の間だけ生き残るために党名を偽ることに他ならず、有権者を欺く行為です。
追記: やっぱり、さっそく与党の攻撃に遭っていました。
「民進党はこの選挙で消えたと思ったら、参議院にまだ残っていた。その参議院の人が昨日今日あたりから、「選挙が終わったらまた寄りを戻そう」、そんな事を言い出してるんです。一旦全部移ろうと言ってバラバラになって、そしてまた終わったら一緒になろう。そんな国民を欺くような事をやってる人達にこれからの日本を任せる訳にはいかないじゃありませんか!」
by 公明党山口那津男代表
既に『トロイの木馬』作戦を公言していた民進党議員
尤も、希望の党に合流を決めた次点でも、既に『トロイの木馬』(トロイア戦争で、ギリシア軍がトロイア軍を欺くために、兵を中に潜ませたとされる巨大な木馬で、転じて、内部に潜入して破壊工作を行う者。)を公言している者もいました。
民進党参議院議員の有田芳生議員です。(2017/10/01付 Facebookより)
希望の党に慰藉するに際しては、「安保法案賛成」や「外国人参政権反対」など、民進党の政策とは真逆の方針に同意する誓約書(政策協定書)にサインをしなくてはならなかったのですが、議員として生き延びるために本心を隠して入党し、希望の党を乗っ取るだのと宣言しているようなものです。
選挙後に想定される民進再結集のイメージ
現在、希望の党で立候補しているのは57人(①)、民進党所属のまま無所属で立候補しているのが21人(②)、立憲民主党から立候補しているのは15名(③)、更に参議院議員が47人いますが、既に福山哲郎参議院議員は立憲民主党に移っています。
今後は金(政党交付金)と主導権の争い?
小川敏夫氏が記者団に語ったのは、「民進には人も全国組織も資金もある。党を再構築し、次を目指す形に持って行くべきだ。」(2017/10/13 読売朝刊)ということで、民進党の金庫に眠っていると言われる100億以上の金の取り合いが今後起こるのは必至です。
現状は前原誠司氏が代表のままで、予定としては、前原氏は人とともに資金を希望の党に移動させることになっているからです。
昨晩、BSフジ・プライムニュースに出演した立憲民主党党首の枝野氏は、番組途中に挟んだこのニュースについて聞かれ、「選挙が終わったので元の鞘に戻るのではなく、我々が一定の支持を得られれば、そこを軸に民進党とどういう連携ができるかを考えていく。」(2017/10/13 読売朝刊)と述べていました。
小川氏の発言は、結集を呼びかけると同時に、今後求心力と発言権を増すであろう枝野氏への牽制とも取れます。
読売新聞の記事によると、無所属で出馬している岡田氏は既に21名のネットワークを組織し、民進出身者への支援を表明すると共に「選挙が終わればもう一回大きな塊を作っていかなければならない。」と発言しているとのことです。
一方、希望の党に合流した党員の多くは、議員でいるためには前言を簡単に翻すような人間なので、再び希望の党を抜けることも容易いとは思いますが、一部には“共産党アレルギー”もあるはずです。
既に、枝野氏は共産党という“毒饅頭”を喰らってしまったので、一定の左派の支持は得られるでしょうが、政権与党の道は遠のいたのも事実です。
いずれにしても、しばらくは醜い争いが繰り広げられるのは間違いありません。
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