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2017/09/01

【徴用工問題とはなにか?】政権が変わると建国記念日がコロコロ変わる国、韓国

公開: 2017/09/01 07:55  最終更新: 2018/11/01 6:37  

このエントリーは前回の記事の続きで、8月25日に放送されたBSフジ・プライムニュースの『“徴用工”SHOCK 訴訟乱発…企業に激震』の内容に追加情報を加えてまとめておくのが目的です。

 

前回記事のまとめと補足

■元徴用工に対する補償金は1965年の『日韓請求権協定』やその他の合意事項によって、合計5億ドルの経済支援(内3億ドルは無償支援)に含まれているということを韓国でも分かっている。

  • 【補足】(反町理氏/司会者):「調べたんですが、今年の8月14日に元徴用工の皆さんが、(日本企業じゃなく)韓国政府に対して、『あなた方日本から3億ドル貰ったんだから、我々が受け取るべき正当な分け前を出しなさいよ』と言う訴えを起こしてますよね? これなら分かるんですよ。」(※詳細次項に)

■しかし、韓国政府は故人の元徴用工にしか補償金を支給せず、インフラ整備等に使ってしまった。→『漢江の奇跡』と呼ばれる経済発展。

■日本国内で訴訟を起こしても悉く敗訴になるので、韓国国内で訴訟を起こす作戦に切り替えた。(例:『三菱広島・元徴用工訴訟』)

■一つのエポックとしては2005年の官民『共同委員会』(参照:図-4の④)で、徴用工を含めた様々な賠償請求訴訟が日本国内では勝てないことが分かった運動家が、韓国国内の解釈を変えさせるために行政訴訟を起こした結果おこなわれたもの。

但し、この時、(浅羽教授の言葉を借りると)「徴用工に関しては、いい“弾(たま)”がなかった」そうで、元慰安婦や原爆被害者、サハリン残留韓国人の請求権は失われていないと判断されされたが、元徴用工は除外された。(参考: 2018/10/31 読売「韓国人徴用工を巡る経緯」)この盧武鉉政権の時に文在寅は盧の側近として青瓦台にいた。

■しかし、韓国国内で2007年に始まった「三菱広島・元徴用工訴訟」では、一審二審では原告の訴えは棄却されるも、2012年に大法院が差し戻しし、2013年に被告に賠償を求める判決が出た。

  • 【補足】(白真勲氏)「2011年8月に憲法裁判所で慰安婦の判決が出ている。ある意味、この時期の“トレンド”に乗った判決。」←高弁護士も同意。

 

この2012年の判断は、韓国の特殊な歴史観によるものというのが、今回の話です。

 

 

 

 

元徴用工ら、韓国政府に賠償請求(2017年8月14日)

番組内では司会者が言及しただけで詳しく説明されなかったので、調べました。

 

元徴用工ら、韓国政府に賠償請求  (日経新聞 2017/8/14 19:31)

 【ソウル=山田健一】太平洋戦争時に旧日本軍に徴用されて軍需工場などで働いた朝鮮半島出身の元徴用工とその遺族の計6人が、1人あたり1億ウォン(約960万円)の損害賠償を韓国政府に求める訴訟を14日までにソウル中央地裁に起こした。韓国政府の責任を問う訴訟は珍しい。元徴用工を支援する市民団体「アジア太平洋戦争犠牲者韓国遺族会」が明らかにした。

 原告は1965年の日韓請求権協定によって日本政府から韓国政府に支払われた3億ドル(約330億円)の無償提供資金が、元徴用工個人に支払われなかったのは不当と主張している。市民団体側は、原告を今後千人規模に拡大したいという。

 元徴用工に対する賠償責任を巡っては、日本政府は日韓請求権協定を結んだことで解決済みという立場。韓国では大法院(最高裁)が2012年に韓国人の個人の請求権は消滅していないとの判断を示して以降、地裁や高裁で日本企業が敗訴する例が相次いでいる。

 

 

韓国の歴史観に基づいている2012年判決

最初に、この番組の結びに浅羽教授が言った発言を紹介しますが、韓国(左派・急進派)の考え方は、「(国際的にスタンダードな)歴史は歪められていて、我々はそれを正しているだけ」というものなのだそうです。

ですから、この問題を理解(acceptじゃなくてあくまでもunderstand)するには、このメンタリティを前提にする必要があると述べておきます。

 

最初に書いたように、原告は2007年に日本で敗訴し、同じ内容の裁判を韓国国内で起こしたところ、2009年の釜山高裁で棄却されました。

これは、出演者の高(こう)弁護士によると、日本での裁判の結果の「既判力」(きはんりょく/判決の確定によりその判断が不動のものとなり、同一の点についてはもはや再び訴訟上争わさせないという不再理の効力)が認められてのものでした。しかし、最高裁ではその「既判力」が無いとの判断で差し戻しされました。

 

Pn20170825_06_2012_1
図-3(再掲)

 

この判断理由の元になるのが、「外国判決承認の要件」で、下の③が問題、つまり日本の判断をそのまま認めることは「公の秩序に反する」と判断したためです。

 

Pn20170825_07
図-6

 

なぜ、日本の判決を受け入れることが「公の秩序」に反するからというと、最初に回答を書いてしまうと、韓国憲法の精神に反するのだそうで、これを説明するために、まず、『日韓併合条約』に関する日韓の認識の相違を知っておいて下さい。

 

『日韓併合条約』-「もはや無効である」vs.「そもそも無効である」

1965年に調印された『日韓基本条約』において「1910年に8月22日以前に締結された旧条約(ブログ主註:日韓併合条約のこと)がもはや無効であることの確認」という項目で、日本側は(日韓併合は合法的なものであるから)「もはや無効」というスタンスですが、韓国側は『そもそも無効である』という認識に基づいた判断なのです。

 

【2018/10/31追記】この日本と韓国の言い分についてもう少し追記します。〔参考:『日韓2000年の真実―写真400枚が語る両国民へのメッセージ』(名越 二荒之助 著/ 株式会社国際企画)P.637〕

佐藤栄作内閣の時に日韓国交樹立のための外交交渉が始まり、そこでまず始めに論議されたのが明治43年(1910年)に結ばれた日韓併合条約を巡る解釈で、

韓国側は「併合の日以前に結ばれた全ての条約及び協定は、当初から無効である(be null and void)」と主張。それは、それらの条約は日本の軍事力を背景に威嚇して締結されたものだから、という理由です。

一方、日本は、併合条約以前の条約や協定は時の高宗皇帝が承認し、併合条約も純宗皇帝の勅許を得て閣議(李完用首相)で満場一致(文部大臣・李容稙のみ欠席)して調印したものである以上、条約を無効と見なすことはできないと答えました。

そして、条文案では「もはや無効である(be already null and void)」(日韓基本関係条約第二条)という玉虫色の条文に落ちつきました。

 

つまり、2012年の大法院判決の根拠は、日韓基本条約で両国が苦心して折り合いを付けたものの根底を覆し、

 

“日本の判決は、「日韓併合(1910年)により、韓国領土及び国民は日本(の一領域)なので、日本の国内法により徴用された」という前提だが、これは「不法な行為」なので、日本の法解釈は受け入れられない”

 

という歴史認識に起因しています。

 

これをもう少し理解するには、韓国の建国は一体いつなのか?という論争を見る必要があります。

 

政権が変わると建国の年が変わる国

浅羽教授によると、8月17日の文大統領の記者会見で「1919年に大韓民国は建国された」という発言があったそうですが、「1919年建国説」(以下、「19年建国説」と表記)と、「1948年建国説」(以下、「48年建国説」と表記)は、韓国国内の左派(急進派)と右派の主要な対立軸の一つです。ちなみに、李明博(イミョンバク)、朴槿恵(パククネ)政権では「48年建国説」を採っていました。

 

一般的に、韓国の建国は日本の敗戦により1948年建国とされており、これが国際的なスタンダードで、右派はこの説を採っています。

しかし、三・一運動(さんいちうんどう/1919年3月1日から始まった反日独立運動)の中で上海に『大韓民国臨時政府』ができたことで「19年建国説」を支持する人達も多く(左派急進派)、文大統領の発言はこの考えに立つことを示しています。

『大韓民国臨時政府』は国際法上認められていません。「19年建国説」を採るということは、日韓基本条約の「もはや無効である」という決着を蒸し返す立場なのです。

 

図-3の韓国大法院の「韓国憲法の規定に照らすと、日帝占領期の韓半島支配は規範的観点から不法な独占にすぎない」というのはこれが根拠となっています。そして、日本の判決を認めることは「(韓国憲法に反しているので)善良な風俗やその他の社会秩序に反する」となるわけです。

 

前述のように文大統領は「1919年建国説」の立場であることを示しており、ここに徴用工訴訟問題の危うさがあります。

つまり、19年建国説は上海に「大韓民国臨時政府」を設置した年を建国として、「韓国は日本に“宣戦布告”して“勝利”した“戦勝国”である」ということを主張するものであり、“日本の「併合」は政府の意思を無視した不当なものであった”という考えだからです。

もちろん、臨時政府など他国から承認もされなかったし、宣戦布告も連合国から無視されました。韓国だけが信じている(信じたい?)ファンタジーの国家なのです。

 

歴史教科書においても、朴槿恵政権末期に国定の『正しい歴史教科書』を作り、48年建国説を書き込もうとして左派の激しい反発を受けましたが、文大統領が就任すると直ちにその国定教科書を廃止しています。

 

また、文大統領は憲法を改正して2019年に建国100周年を祝いたいという意向だそうです。

 

この、建国年がコロコロ変わるというのは今に始まったことではなくて韓国独立直後からで、1948年の翌年49年には(19年建国説で)建国30周年として式典を行っていますが、50年には光復3周年(48年建国説)を祝っているそうです。

 

(ここは司会の反町氏ならずとも「そんな国、あり得ないでしょう!?」と突っこみたくなります  )

 

現在、こうした韓国左派・急進派の考えをリードしているのが大法院ですが、浅羽教授が強調していたのは、韓国国内で激しいバトルが繰り広げられのは間違いないとのことです。

 

ご存知の方も多いでしょうが、文大統領は労働問題を扱っていた弁護士で、関心があるのは当然ですが、それ故に、この問題が日韓関係において非常に繊細な問題であることも知っているはずです。

その割には、安易に「政府も同じ立場」という言葉を使った(図-7)こと、8月15日の光復節での演説で、「南北共同で強制動員被害の実態調査の検討」などと言った(図-8)ことなどから、2015年の『慰安婦問題日韓合意』の例もあり、65年の協定まで遡った“壮大なちゃぶだい返し”をする危険性を孕んでいると思います。

 

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図-7

 

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図-8

 

【追記】『徴用工問題 裁判で結論 韓国大統領』(2017/09/09付日経)

20170909_nikkei

 

 

 

 


 

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コメント

「1919年に大韓民国は建国された」ってことは、
「北朝鮮の歴史では認めてないだろう」みたいなことを
辺真一さんがゆーてました。

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