【加計学園問題】完全非公開の設置審の内容が何故漏れる?【文科省】
最終更新: 2017/08/11 18:00
8月9日に文科省の設置審(大学設置・学校法人審議会)が行われたとのことで、 認可の判断を「保留」したという報道がありました。
加計学園獣医学部 認可の判断「保留」へ 文科省審議会
8月10日 6時17分
学校法人「加計学園」の来年4月の獣医学部新設について審査する文部科学省の審議会が9日開かれ、実習計画などが不十分で課題があるとして、認可の判断を保留する方針が決まり、今月末に予定されていた大臣への答申は延期される見通しとなりました。
「加計学園」が来年4月に愛媛県今治市に新設を計画している獣医学部をめぐり、文部科学省の大学設置審議会は、ことし4月から審査を行い、今月末に結論をまとめて大臣に答申する予定でした。
これまでに審議会は、教員の数や学生の定員について見直すよう求め、学園は、定員を当初より20人少ない140人としたほか、教員を増やす案を提出していました。
関係者によりますと、9日、非公開で審議会が開かれた結果、認可の判断を保留する方針が決まり、今月末に予定されていた大臣への答申は延期される見通しとなりました。保留となった理由としては、学生に対する実習計画が不十分でライフサイエンスの獣医師などを養成するうえで教育環境が整っておらず、課題があるとされたということです。
審議会は今後、学園に修正案の提出を求めたうえで、来月以降、改めて来年4月の新設について審議を行い、認可の判断を行う見通しです。
このことを見ても、国家戦略特区として今治市が指定され、事業者として加計学園が選定されても、ようやく学部新設の申請ができるというスタートラインに立てただけだと言うことが分かるかと思います。
仮に、度を超したバッシングを行っているマスメディアや一部野党が言う“官邸の圧力”があったとしても、スタートラインにも立てない状態から立てる状態になっただけです。
ブログ主が取っている読売新聞、日経新聞各夕刊でもこのことは報じられました。世間の関心を集めている問題とは言え、9日の設置審の内容を翌朝6時に報じるというNHKの取材の早さが気になります。
この決定に対し、テレビ朝日の10日(映像から夜らしい)の取材で、加計学園の獣医学部長に就任予定の吉川泰弘氏は文科省から回答はまだ聞いていないと発言しています。
開催日も委員の名前や議事録も非公開の設置審
下は、2017年5月26日の読売新聞記事です。
この記事は前日の5月25日に行われた前川前文科省事務次官の記者会見に関する特集記事に含まれていた設置審の解説ですが、「会議は非公開で、委員の名前や会議の開催日も明らかにされない。審査中は議事録も非公開で不正が入り込む余地は少ない。」と書かれています。
この記事の趣旨は見出しからも分かるように、「主要な審査は外部の専門家が委員を務める『専門委員会』が行う」として、政府への“忖度”が入り込む余地がないということで、それ故、専門委員会のメンバーも非公開なのでしょうが、その割には、他の報道を観ても“関係者”が内容を漏らしています。
この加計学園問題では、クローズアップ現代といい、NHKの報道がやたらに早いのが不思議です。
以下は日経、読売の10日夕刊より。
学部新設の判断保留 加計学園 文科相への答申延期 設置審
日本経済新聞 2017年8月10日夕刊
学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を審査している文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)が認可の判断を当面保留する方針を固めたことが、10日、関係者への取材でわかった。
(中略)
設置審は大学関係者や専門家で構成され、新設学部の教育課程や施設が適切か、十分な質・量の教員を確保できるか、財務状態は健全かといった点を審査する。審議内容は日程も含めて非公開。
これまでの審議の過程で加計学園は設置審の指摘を受け、当初160人としていた入学定員を140人に減らし、教員数を増やすなど当初案の一部を変更していた。
設置審は大学や学部の新設に対し、審査を経て「認可」や「不認可」を答申するが、「審査継続(保留)」として判断を先送りする場合がある。昨年は68件の申請に対し、8月下旬時点で15件が保留となった。
(後略)
「答申」 とありますが、これは文科省の長である文科大臣に答申(意見の具申)を行うもので、最終的な認可(と言うか、形式的な認可)は文科大臣が行います。
これをかつて「不認可」としたのは民主党政権下の田中眞紀子文科大臣で、議論を呼び、最終的には認可しました。(これについて、ここで論ずるつもりはないのですが、当時、大学の粗製濫造で定員割れや質の低下が問題となっており、文科大臣の決断は世間からある種“喝采”を受けた事実はあります。が、質の低下ならまず既存の大学を問題にすべきかと思います。)
「加計」新設の判断保留 文科相審議会 獣医学部答申を延期
読売新聞 2017年8月10日夕刊
(前略)
関係者によると、有識者で構成される設置審の中で、獣医学の専門家などが委員を務める「専門委員会」がすでに審査を終えている。この結果を受けて9日、都内で会合が開かれ、答申の内容について協議した結果、判断の保留を決めた。
(後略)
8月8日林芳正文部科学相定例会見-朝日のフィルターにかかると...
先日、弁護士等のグループが石破4条件を満たしているか政府が検証しなければ違法になるという声明を出し、政府に対し要望書を送付したという報道がありました。
弁護士らグループ、安倍晋三首相に質問状 4条件の検証していなければ違法と指摘
産経web 2017.8.8 07:14更新
http://www.sankei.com/affairs/news/170808/afr1708080008-n1.html
(一部引用)
「加計学園」の獣医学部新設問題を追及する弁護士らのグループ(梓沢和幸共同代表)は7日、安倍晋三首相に新設計画の認定の経緯をただす質問状を送った。首相が認定した際、政府が平成27年6月に閣議決定した新設の4条件を満たすかどうか検証していなければ、違法になると指摘している。
林芳正文部科学相にも同日、設置認可を判断する際に4条件を満たすか厳正に検討するよう求める要望書を送付した。
8月8日の林文科大臣の定例会見でテレビ朝日の記者がこの件に関して質問を行っています。
- 文科相公式YouTube: https://youtu.be/NmEttgxU8A0?t=7m36s (7分36秒辺り~)
この会見で林大臣は、文書を見ていないので何とも言えないという趣旨の回答をしているのですが、これを報じたテレビ朝日ニュースではこうなります。↓
『「4条件」検証せず認可判断 加計問題で林文科大臣』 (2017/08/08 23:30)
いつの映像化は分かりませんが、定例会見とは違う場所でのインタビューで、林大臣の音声では、
「しっかりと、専門委員会で審査をして戴いた上でですね、この、出てきた答申を最大限尊重すると言うことが、やはり、私のやるべきことだと、そういう風に思っております。」
とだけ答えています。
しかし、アナウンサーの音声がすぐさま被り、
「林大臣は、獣医学部新設で政府が示した4条件を満たすか検証することは法律に定められていないとして、大学設置の認可について審議会の判断に沿って決める考えを示しました。加計学園の新たな獣医学部の設置認可については、今月下旬にも文科省の審議会が結論を示し、林大臣が最終決定をします。」
と説明しています。(アナウンサーの音声は記事本文と同じ)
林大臣がそのように発言し、記事のタイトルにもするくらいなら、4条件を満たすかは検証しないという大臣の音声をそのまま流せばいいのではないかと思いますが。
« 【加計学園問題】主要メディアは閉会中審査の加戸氏の発言をどれくらい報道したか【櫻LIVE 2017/08/04】 | トップページ | YouTubeにコメントしようとすると「このアカウントには名前が設定されていません」と表示される »
« 【加計学園問題】主要メディアは閉会中審査の加戸氏の発言をどれくらい報道したか【櫻LIVE 2017/08/04】 | トップページ | YouTubeにコメントしようとすると「このアカウントには名前が設定されていません」と表示される »
コメント