【加計学園問題】閉会中審査(7月10日) (2)審議を視聴して
本日、加計学園問題を巡り閉会中審査が行われ、NHK総合で中継はありましたが、開会時間が遅れたため予定時間に収まらず、中継されなかった部分はネット中継で視聴しました。(審議の模様は下記の公式のネット中継のアーカイブスから再生でき、質疑者別にも視聴可能です。)
野党の質疑は“怪文書”をもとに“言った言わない”の堂々巡り
これは想像できたことですが、今回も、文科省職員の牧野美穂課長補佐が作成した文書を使い、そこに名前が出てくる萩生田副官房長官等の発言を巡って、“言った言わない”の堂々巡りに終始していました。
ブログ主は、『加計学園問題』シリーズの一連の記事で、あまりこの文書を取り上げていないのですが、それは、そもそも作成者の課長補佐が一方的に作成したもので、発言したとされる人物の承認も受けておらず、文科省内部の調査でヒアリングされた際に、曖昧な記憶で作成した、あるいは同席していない会談までのメモまで作成していると答えているからです。従って、およそ信憑性のないもので、内部で都合良い内容だと判断しています。
それを裏付けるのは、下記の文書です。(その他の文書の一覧はこちら)
印を付けた文に、
“「国家戦略特区諮問会議決定」という形にすれば、総理が議長なので、総理からの指示に見えるのではないか。”
とあり、この一文だけで内部(上司)向けに何とか取り繕う手立てを考えているメモに過ぎないことが証明できるからです。
しかし、ニュースでは、この部分はけして取り上げられません。
このメモを紹介するときは、朝日が良くやる手ですが、不自然に周囲を暗くし、上の一文を見せないようにするのです。(下図)
結局、この課長補佐が作成したメモを巡って質疑するときは、発言者とされる人物、例えば萩生田副官房長官が「そのような発言はしていない」と言っても、それを証明せよという、いわゆる“悪魔の証明”になってしまうのです。
メモの流出元はノーコメントの前川前事務次官
メモの流出元はあなた(前川前事務次官)ですか?という質問は、2回目の記者会見でもノーコメントでしたが、午前中(衆議院)の自民党・平井たくや議員にも同じことを聞かれて、やはり回答を拒否していました。
メモの内容については、憶測で解説するにもかかわらず、です。
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なぜ、ワーキンググループ議事録で議論しないのか?
今更ですが、国家戦略特区の会議の構造を表す図を再掲して、ワーキンググループの位置づけを説明します。
一番下に「国家戦略特区ワーキンググループ」があり、右に説明がありますが、自治体から申請があった提案はまずここで検討され、その自治体はもちろん、関係各省を呼んでのヒアリングが行われます。
獣医学部新設に関しては、例えば最初の新潟は、関係省庁(文科省、農水省)が計5回、京都と京都産業大学は自治体と事業者のヒアリングが1回あり、この二者は一旦終了、と言うか、それ以上の進展がなく止まっています。
愛媛県と今治市は自治体と関係各省のヒアリングを経て、より専門的な視点で審査される国家戦略特別区域会議(区域会議)に送られ、追加すべき規制改革メニュー(今回の場合は「獣医学部新設」)についての協議が行われます。
認定はさらにその上の諮問会議でなされます。
ワーキンググループのヒアリングに省庁から呼ばれるのは課長や課長補佐(と言っても、一般企業なら部長レベル)です。ここで、民間のワーキンググループ委員に対して、獣医学部新設を抑制し続けることの正当な理由を一切説明できなかったのが文科省なのです。
一連の“怪文書”はこのワーキンググループでのヒアリングのあとに作成されており、これは、獣医学部新設の許認可権を奪われたヒアリング出席者が、その責任を転嫁、あるいは誤魔化そうとして書いたものとしか思えないのに、“決定のプロセス”云々言うのに、ワーキンググループ議事録を抜きに議論するは全く不可解です。
本日の国会でその議事録を元に質疑をしたのは自民党の青山議員くらいでした。
また、午前はせっかくワーキンググループ委員の原氏が参考人として出席していて決定のプロセスを説明していたのに、NHKは放送しませんでした。(民進党によって開始が遅れたことも原因ですが。)
マスコミへの不信感を口にした加戸前愛媛県知事
午後の参議院で参考人として招致された加戸前愛媛県知事に質疑したのは自民党、公明党と野党の維新だけでした。
質問攻めをするような形ではなく、思いの丈を述べていらっしゃったので、時間があれば、是非、自民党・青山議員、公明党・里見議員の質疑だけでも聴いてみて下さい。
青山議員の質疑の中での発言の一つ(質疑を締めくくる答弁)を書き取ってみました。(その部分はYouTubeにもアップされているので、発言部分から再生されるよう時間指定をしてあります。)
“6月13日の、国家戦略特区諮問会議の民間有識者の委員の方々が記者会見をされて、私は、人に知らされてインターネットの...あの中継ではなくて、えーなんていうんですか? あっYouTube! YouTubeで1時間半拝見させて頂いて感激しました。
特に、今回の規制緩和に関して、心の一点の曇りもなくやったということで、 これが今回の大きな事件の結論だったんだろうなと、これが国民に知ってもらうべき重要な事なんだなと、私は思いました。
たくさん、今まで私の所に取材がありましたけれども、都合のいい事はカットされて、私の申し上げたい事を取り上げて頂いたメディアは極めて少なかった事を残念に思いますけど、あのYouTubeが全てを語り尽くしているんではないかなと思います。”
しかし、一連の加戸氏の発言は朝日、毎日など大手新聞やテレビでは取り上げられませんでした。(下は読売新聞の社会面)
ブログ主はこの『加計学園問題』を『 加計学園問題に見るマスコミの捏造』 というカテゴリ名でシリーズとして書いてきました。
公明正大に正しくプロセスを報道していれば問題のないことを、情報や映像を切り貼りしては「ますます謎は深まった」などと報道する姿勢に大いに疑問を抱いたからです。
特区は、特に地方では地方創生や地域の活性化という側面もあります。が、加戸前愛媛県知事は参考人としての発言の中で、海外に負けないライフサイエンスの研究拠点にしたいと仰っていました。
今治市や愛媛県だけ良ければいいというのではなく日本の国益まで考えての発言です。
それを、
政争の具、あるいは安倍政権打倒の手段として、さんざん“おもちゃ”のように扱っているマスコミと一部の国会議員は恥を知るべきです。
前事務次官等が、時の政権が“行政を歪めた”と言いますが、
真実を歪めているのは誰なのか?と問いたいです。
この記事は、他に気づいたことがあれば追記します。
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ひょっとしてと思い貴ブログ拝見したところもうアップがありました。お疲れ様です。
当方は、前川の広域的条件、1校限定条件で加計となった云々で阿保らしくなり散髪へ。
この男、自分が矢面から逃げた事の経緯を調べなかった筈はなく、実情を知りながらの虚言か詐術か、全く信用なりません。
質問を議員に任せても何の役にも立ちません。詰まらぬやり取りのあとで、疑惑は増々深まりましたなどと笑止の限りです。
アゴラ投稿の郷原信郎の如く、挙証責任の転嫁を法曹の衣で論じる輩まで登場するとは、已矣哉。
投稿: 奥穂3190 | 2017/07/11 02:45