【ドールハウス工作】 No.309 水仙のミニチュアの作り方
前回ご紹介した水仙の作り方です。
今回、「水仙なんて見慣れた花、画像なんて見なくても (*^◯^*)へーきへーき」と適当に作ってしまったのですが、大きな間違いがありました。
水仙の花びらは5枚ではなくて6枚でした...('A`)
(実はこの6枚というのも誤り。後ほど補足説明をします。)
水仙の花の構造
と言うことで、あらためて実物の観察から。
いわゆるニホンスイセン(Narcissus tazetta var. chinensis)は上の画像のような花で、フサザキスイセン/Narcissus tazettaの変種なのだそうです。(画像はWikimediaより表示。)
黄色いお椀状の花びら、副花冠(ふくかかん)と呼ぶのだそうですが、その裏にまず3枚の花びらが均等に三ツ矢の紋のようについていて、残りの3枚の花びらがその間から見えています。
但し、この後列の3枚の花びらは実は花びらではなくて萼(がく)なんですと。
( ・∀・)つ〃∩ヘェーヘェーヘェー
正確を期すために辞書で調べると、花被(かひ)という言葉があって、その定義は
“ 花の雌しべ・雄しべの外側にある部分で、花の保護や送粉者を花に誘う働きをする。多くは2輪に配置し、内外で形や色彩に違いがあるものでは、外輪のものを萼(がく)、内輪のものを花冠という。差異が目立たぬものでは合わせて花蓋(かがい)という。” (出典:広辞苑)
ということなので、水仙の場合はこの6枚を花蓋というのでしょうが、ここでは便宜的に“花弁”あるいは“花びら”と呼びます。
さらに脱線して、水仙についてもう少し調べてみたら、英語で水仙は「narcissus(ナルシサス)」と「daffodil(ダフォディル)」があるのですが、ギリシャ神話のNarkissos(ナルキッソス)を語源とするnarcissusはクチベニスイセン系、daffodilはラッパズイセン系のことだそうです。(下はブログ主の学習辞典のイラスト)
ちなみにdaffodilはギリシャ神話のアスポデロス(asphodel=不凋花/ふちょうか)という、善人が死後にすむ楽園=エリュシオンの野に咲く不死の花(けして色褪せない花)がスイセンとされていて、そのオランダ語「de affodil」(“de”は英語の“the”)をそのまま借用したそうです。(出典:ジーニアス英和大辞典)
ただし、asphodelは植物名としてはツルボランという花です。
なお、台湾ではプリザーブドフラワーのことを「不凋花」と呼ぶのだそうですよ。
って、「凋」という漢字を出そうとして、「凋落(ちょうらく)」という言葉を変換してATOKの広辞苑で意味を調べたら、『(1)花などがしぼみおちること。また、容色がおとろえること。 (2)おちぶれること。「名家が―する」』と、凋落の第一義が花が枯れることなんですね。 知らなかった。
閑話休題。
ミニチュアを作るために花びら以外の部分も見ておきます。
本来はこのように一本の茎から複数の花柄(かへい)が出て房咲きします。
が、このように作るのは難しいので花は一つだけ付けますが、花柄から折れ曲がるように花柱が伸びているので、ミニチュアでもこの特徴を捉えることにします。
【作り方ワンポイントメモ/粘土の混色】
(粘土の表記についてはNo.268の記事、粘土の種類についてはNo.269の記事をお読み下さい。)
- 副花冠(①): 白+黄+赤(ダイソーカラー粘土の黄色は蛍光色の濃いレモン色なので赤味を少しプラス)
- 花弁(②): 白
- 花柱(④): 緑+黄+(白)
副花冠(①)の粘土は丸めて中央をスタイラスでくぼませます。(画像のものはセリアのネイルコーナーにあったドットペンとかいうもの。)
花弁(②)はたくさん作り、形の良いものを選びます。花弁を作る時はゴマのような形に丸めた粘土を食品用のラップに挟んで押しつぶすといいでしょう。
副花冠の裏側から花びらを貼り付けます。この時、6枚の花弁を一度に付けるのではなく、内側の3枚を均等に付けて、その間に来るように残りの3枚の花びらを貼ります。
花弁を貼り付けるときは、木工用ボンドを少し絞り出しておき、花弁をピンセットでつまんでボンドをちょっと付け、副花冠に貼ります。副花冠は楊枝のような細い棒で動かないように押さえつけると作業しやすいかも。
ワイヤー(③)を少し曲げ、花柱(④)用の粘土を付け、その先端に木工用ボンドを付けて花を貼り付け(⑤)ます。(このワイヤーはダイソーで買ったもの)
葉(⑥)はダイソーで見つけた無地の和紙(折り紙サイズ)の緑を使いました。
前置きが長かった割にはミニチュアの作り方の説明は簡単でしたね。
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