【ドイツ】駅のホームをバリアフリーにしたら、駅舎のドアが開かなくなった!?
昨日、NHK BSの海外ニュースを観ていたら、面白いニュースがありました。
駅のプラットフォームをバリアフリー化のために高くしたら、駅舎からプラットフォームに出る扉の高さと合わずに、乗客は窓から出入りする羽目になった、というものです。
(上の画像は南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)に掲載されている動画のキャプチャ。CMの後にニュースが始まります。)
なんとも間抜けな話だなと思ったのですが、それほど真剣に観ていなかったので、あらためて検索して見ると、それを報じているニュースサイトはたくさん見つかりました。
問題の駅はドイツ北部のニーダーザクセン州(Niedersachsen/州都:ハノーファー)にある、バート・ベントハイム(Bad Bentheim)という駅です。
画像はWikimediaから直接したもので、上の画像は問題の駅、下はバート・ベントハイムの街並みです。美しいですね。なお、バート(Bad)は英語で言うとBath(お風呂)。地名にこれが付くと大抵温泉保養地です。
どうしてこのようなことになったのか、ニュースでは聞き逃したか、詳しく説明しなかったのか、ながら見してたので分からなかったのですが、ニュースサイトの記事(Spiegel-Online “Vermurkste Bauplanung: Bahnhofstüren lassen sich nach Umbau nicht öffnen”/“不手際な建設計画: 駅のドアが改築後に開かなくなった”くらいの意味)で分かりました。
まず、ドイツの列車ですが、ドアが高い位置にあり、ドアが開くと階段(ステップ)が現れて、乗客はそれを上ることになります。健常者や若者でも大きな荷物を持っているときなど苦労するのですが、老人や車椅子にはかなりやっかいなので、予算を組んで、バリアフリー化を推し進めることになりました。そこで、プラットフォームを約40cmかさ上げをしたそうです。
ここで、なぜ、同時に駅舎も改築しなかったのか?と、誰もが思うでしょうが、上の記事によると、工事の依頼主が1箇所ではなかったから工期がずれた、というようなことが書いてあります。
プラットフォームの管理者はDB(ドイツ国鉄)で、駅舎はローカル鉄道のもの(元は市の所有物だったのを売却)なのだそうです。
まぁ、それにしても...ですが。
駅舎のドアは開かなくなっため、乗客は窓の内側に置かれた踏み台をよじ登って窓から出る羽目になったのですが、念のため書いておくと、日本と異なり、改札がない(車内検札)ので、切符を販売機などで買った後は建物を通り抜けなくても直接プラットフォームに出ることは可能です。なので、利用者は面白がって窓を通り抜けているとのこと。
ただ、駅舎の画像を見ると割と大きくて、切符を買ったあとに建物の横を通ってプラットフォームに出るというのは面倒なのかも知れません。
ちなみにWikipediaのBad Bentheimのページによると、駅舎は1865~1866に建設された古いものだそうです。ドイツではこのくらいの古さの建物は珍しくもないでしょうが。
上にリンクを貼った動画は同じく南ドイツ新聞のこちらの記事“Hier ist das Wort "Bahnsteig" wörtlich zu nehmen”からも見られますが、記事のタイトルはユーモアたっぷりに、「プラットフォーム(Bahnsteig)が文字通りプラットフォームになっちゃった」みたいなニュアンス(Bahn=鉄道/Steig=坂道、山道)になっています。
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