【ドールハウス工作】 No.191 ハロウィン no.3 Excelでトリートバッグ(Treat Bag)を作ろう!【Excel2013】
前回の記事で作成したようなトリートバッグをExcel2013を使って作る方法を説明します。
手順は、下記の通りです。
- Excelのシートをキャンバス代わりに使い、そこに必要な画像を取り込んでペーパーバックをデザインする。(イラストなど、画像はExcelから「Bingイメージ検索」機能を使って直接取り込むことができますが、著作権に注意し、個人で楽しむだけにとどめてください。)
- 作成したバッグのデザインを画像に変換。サイズを調整する。
- Excelのシートを増やし、そこに2で作成した画像を貼り付ける。(印刷用のシート)
- 3のシートを印刷。
- 切り取って組み立てる。
Excelは本来、表計算ソフトですが、画像の扱いがWordより自由なので、簡易なお絵かきソフトとしてもよく使われます。慣れている方は上記の説明で理解できるかも知れませんが、ここでは初心者でもできるよう、なるべく詳しく書く予定です。
1.バッグをデザインする
前回の記事で公開した画像(アウトラインやロゴ)を使用するので、予めダウンロードしてPC内に保存しておいてください。
1-1 Excel2013を起動し、「空白のブック」を開く
- 作業の間は、右下の「ズーム」を使用して適宜表示サイズを変えると楽です。(画像が大きすぎて、一度に表示できないときや、細かい作業をするのに拡大して見たいときなど。)
- シートを増やすには左下のシートタブの右にある+マークをクリックします。印刷用にシートを増やすときに使用します。
1-2 アウトラインをシートに取り込む
上図では、画像は既に取り込んで、少し右下にドラッグして移動した後ですが、メニューの「挿入」タブから「画像」を選択し、アウトライン(outline.png)を選択します。(これ以降、「挿入」→「画像」のように簡単に表記します。)
セルの枠線が見えていることから分かるように、アウトラインは枠線のみの図形です。
1-3 バッグに色をつける
バッグの背景色はアウトラインに直接色を付けるのではなく、色の付いた長方形を重ねます。
というのは、右のようにのりしろや折り返し分にも色を付けたいからです。
のりしろは左端のマチの裏に貼るので、マチの半分くらいの幅、折り返しも同じくらいの幅にします。
下の図は既に長方形を描いた後ですが、「挿入」→「図形」→「四角形」の長方形を選択し、画像のように起点から終点まで、斜めにマウスでドラッグすることで四角形が描けます。
サイズはいつでも調整できますが、折り返しとのりしろの分を加えたサイズの長方形を描いて下さい。
1-3-1 長方形を「最背面に移動」し、サイズを微調整し、色を変更する
長方形をクリックして選択し、右クリックして表示されるメニューから「最背面に移動」を選択すると、アウトラインの下に長方形が移動します。(上の画像は既に最背面にしたあと)
次に必要であればサイズを微調整します。長方形の四隅などに表示される○をドラッグすることでサイズを変更できます。(マウスカーソルを上に重ねると上の画像のようにカーソルの形が変わる)
長方形の上で右クリックして表示されるメニューから、塗りつぶしの色を変更します。ここでは黒を選択。
1-4 イラストを挿入する
ここでは、Bingを使用して、ネットの素材を取り込んでみます。(PCに保存してある画像を使う場合は1-2を参照してください。)
「挿入」→「オンライン画像」を選択すると、「Bingイメージ検索」のウィンドウが開きます。キーワードで画像を検索することができるので、「Halloween」と入力しました。
好みの画像をクリックし、[挿入]ボタンを押すとシートに取り込むことができます。(一度に複数の画像を取り込む場合は、Ctrlキーを押しながら画像をクリックすると複数の画像を選択することができます。最後に[挿入]ボタンを押します。)
1-5 取り込んだ画像を適宜縮小してバッグに配置する
下はジャック・オ・ランタンの画像を取り込んだところです。
画像を取り込んでみたら、背景が透過していないのに気づきました。(白い背景が付いている)
このような輪郭線がくっきりした画像の場合、背景を透過させることができます。この作業が必要ない場合は、次項はスキップして1-6に進んで下さい。
1-5-1 イラストの背景を透過
イラストを選択した状態で、「図ツール 書式」→「背景の削除」を選択します。
白い枠が表示され、枠で囲まれた部分から“背景”と判断された部分がピンクで塗りつぶされています。この白い枠をドラッグで広げ、カボチャの絵全体が囲まれるようにします。(下図参照)
カボチャが全て選択されたら、「変更を保存」をクリックします。これでピンクの部分が透過します。
1-6 バッグの中にイラストを配置する
Shiftキーを押しながら画像の角をドラッグすると縦横比を変えずにサイズを拡大・縮小できます。
必要に応じてロゴを加えたりしてから画像をコピー&貼り付け(※)で増やし、バッグの裏側にもイラストを配置します。(ロゴの画像は前記事にあります。)
※Ctrl+Cでコピー、Ctrl+Vで貼り付けを行うと楽です。(Ctrlキーを押しながらCキー、Ctrlキーを押しながらVキーを押します。)
画像をドラッグで動かすのが難しいときは、画像を選択した状態で、マウスではなく、キーボードの矢印ボタン(←↓→↑)を押して動かしてみて下さい、少しずつ動かすことができます。
2.画像をコピーしてpngに変換する
複数の図を結合した絵は縮小したり拡大したりするとデザインが崩れることがあるので、コピーをして、貼り付ける際のオプションでpng形式の画像にした方が扱いやすくなります。
2-1 画像要素の結合
必ずしも必要ではありませんが、作業がしやすいように作成したバッグの要素をグループ化して結合しておくことにします。
シート上の複数のオブジェクト(画像やテキスト枠などのこと)を選択するには、Ctrlキーを押しながら一つずつクリックする方法がありますが、「オブジェクトの選択」を使うと、まとめて選択することができ、便利です。
メニューから「ホーム」→「検索と選択」→「オブジェクトの選択」を選択し、オブジェクトが全て含まれるようドラッグで範囲指定します。
マウスの左ボタンを離すと、全てのオブジェクトが選択されていることが分かります。この状態で、右クリックし、「グループ化」→「グループ化」を選択します。(あるいはメニューから、「図ツール 書式」→「グループ化」→「グループ化」を選択。)
この後、ESCキー(エスケープ)を押して「オブジェクトの選択」モードを解除してください。
2-2 オブジェクトをpng形式で貼り付ける
結合した画像を選択し、Ctrl+C(コピー)、適当なセルをクリック(=貼り付け先を指定)し、右クリックメニューから「貼り付け先のオプション」→「図」を選択することにより、png形式に変換された画像が張り付きます。
2-3 画像のサイズを変更
png画像をクリックして選択した状態で、「図ツール 書式」→「サイズ」欄の「高さ」あるいは「幅」の数字を変更します。(上書きして[Enter]キーで確定。)
ここでは幅9cmに設定しました。
但し、Excelは内部的にはセンチやミリとは別の単位で管理していて、センチやミリに換算するので、入力した数値が近似の数値に置き換わることがあります。(9cmとしたのに8.9mmになるというような現象が起きます。)
3.印刷用のシートを作成する
3-1 シートを追加してpng画像を貼り付ける
印刷用にシートを追加します。
方法は「Sheet1」と書かれたタブの右にある+マークをクリックすると、新しいシート「Sheet2」が追加されます。
ここでは行っていませんが、印刷用のシートはセル幅(セル=マス目)を狭めて方眼紙のようにしておくことをおすすめします。(方法:『【Excel2013】業務マニュアル・操作マニュアル作成のコツ (Ⅰ)』の「1.セルを方眼紙のようなマス目状に変更」)
理由は、印刷する際、画像がかかっているセルは印刷範囲とみなされるため、そのセルが1ページに納まらないと、ページが分割されてしまうからです。下の例で言うと、もしもう一枚の画像を横に貼って、K列のセルに画像がかかっていた場合、K列が1ページに納まらない場合、その画像は2ページ目に印刷されてしまいます。(紙が無駄になるという理由です。)
追加したシートに縮小したpng画像を貼り付けます。
複数の画像を貼り付ける場合、印刷用紙の無駄が出ないよう、余白を小さくして置いた方が良いと思います。(下図)
「ページレイアウト」→「余白」→「狭い」を選択します。
4.印刷
「ファイル」→「印刷」で右側に印刷プレビュー(印刷のイメージ)が表示されます。
幅9cmの画像ならもう一枚横に並べられます。(ここで紙を「横方向」に買えることも可能)
「印刷」ボタン(②)を押す前に、「プリンターのプロパティ」(①)で用紙の設定(サイズ、紙の種類)や印刷品質(「きれい」や「高精細」などに変える)のを忘れないで下さい。最適なのは厚手のマット紙です。
5.組み立て
長方形に切り出してから、上のようにカットします。
アウトラインに沿って左のように折り線を付けますが、予め鉄筆(スタイラス)や出なくなったボールペンなどで、折線の上からなぞっておくと折りやすくなります。
ブログ主が愛用している鉄筆はこちら↓。
(画像はAmazonから表示しているので、サーバーが混雑しているときなど、表示されない場合があります。その場合はこのページを再読み込み-Windouw機ならF5キーを押す-してみて下さい。)
トレース台とか鉄筆の専門メーカーVANCO社のものです。No.50の特徴は針先が細いこと。針の太さは約0.4mmと0.6mmで、シャープな折線がつけられます。
通常の立体的なペーパークラフトを作るのに、ここまで細くなくても良い場合、No.100Rくらい(針の太さ0.8mm)が適当かもしれませんが、ミニチュアの場合、細い折線をつけたいので、No.50を使っています。
なお、正確に直線をなぞるとき(あるいはカッターで切るとき)に便利な定規をご参考までにご紹介しました。ステンレス製なのでカッターで削れないという利点はもちろんですが、薄くて、カッターの刃を当てても傾かないため、切りたい(線を引きたい)ラインで切る(線を引く)ことができます。
持ち手は印刷用紙の切れ端を使って上のような長方形を切り出し、紙紐などを貼り付けて図のように折り上げてのり付けします。
これを2つ作成し、バッグの内側に貼り付けます。
ここでは100円ショップでセリアで購入した細い麻紐を使いました。(ラッピング用品)
« 【ドールハウス工作】 No.190 ハロウィン no.2 トリートバッグ(Treat Bag)のミニチュア | トップページ | 【ドールハウス工作】 No.192 ハロウィン no.4 猫のミニチュア »
コメント
« 【ドールハウス工作】 No.190 ハロウィン no.2 トリートバッグ(Treat Bag)のミニチュア | トップページ | 【ドールハウス工作】 No.192 ハロウィン no.4 猫のミニチュア »
製作の詳細まで紹介していただいてありがとうございます。
私ははめんどくさくてできないことです。
作っている最中は夢中になって、途中経過の写真とか撮り忘れたりするんですよね。
ほんとにありがたいブログです。
投稿: pipi | 2015/10/04 13:19