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2015/06/01

【ブログ主覚書】ワスレナグサはワスレナグサにあらず!?/シンワスレナグサ

先日の読売新聞夕刊に、花壇などでよく見かけるワスレナグサは本当のワスレナグサではないという面白いコラム記事がありました。それによって、ワスレナグサにまつわる有名な伝説に関する疑問も解けたので、ブログ主の覚え書きとして記事にしておこうと思います。

でもその前に植物繋がりで今の時期、我が家の庭に咲いている植物をご紹介。

 

Hotarubukuro

ヤマホタルブクロです。

(学名:Campanula punctata Lam. var. hondoensis (Kitam.) Ohwi)

室内で撮った写真のようですが、その通りで、雨で花茎が倒れているときに下をよく見ずに歩いて蹴飛ばしてしまい、折れてしまったのを空き瓶に挿しました。

これは以前鉢植えにしていたのがこぼれ種で庭の通路脇に根付いたものです。

子供が中に蛍を入れて持ち帰えるのに使ったというのは俗説らしく、釣り鐘型の花が下がっている様子が、提灯(火垂る)に似ているからというのが名前の由来だそうです。

若芽は食用にもなるらしく、漢字では「蛍袋」の他に「山小菜」も当てられています。

 

もうひとつはカシワバアジサイ。Kashiwaba_ajisai

(学名:Hydrangea quercifolia

名前の通り、葉が柏(かしわ)の葉のように切れ込みがあります。柏餅の柏ですね。

鉢植えで買い求めたものを庭植えにしたら、大きな株になり、この時期、庭の主役のように咲いています。(→カシワバアジサイの育て方

先日、風通しを良くしてやろうと下枝をすいたときに、もったいないので挿し木を始めました。別に増やしたいわけではないのですが、ちょっとした遊びです。今は挿し木には適した時期なので他にも色々と試しています。

 

 

ここでようやく本題。

ワスレナグサの名前の由来としてよく紹介されている伝承の一つに、川辺で恋人のために花を摘もうとした若者が川に落ち、流されながら、「私を忘れないで」とその花を恋人に投げた、というものがあります。

ブログ主は以前にもこの伝説について調べたことがあり、この若者は甲冑を身につけていたため岸に上がれなかったというのを知り、わりと間抜けな話だなあと思っていたのですが、そもそも、わざわざ危険を冒して摘むような花かな?と思った記憶があります。(参考:Wikipediaforget-me-not”)

ワスレナグサは名前の響きから想像して実物を見るとわりとガッカリする花で、確かに可憐できれいなブルーの花ですが、背が低くて横に広がり、花壇の主役と言うよりはグランドカバーに使われるような花です。

しかし、この花壇や鉢植えで見かけるワスレナグサはムラサキ科に属するノハラムラサキなどを園芸用に改良したものだそうで、本当のワスレナグサ(学名:Myosotis scorpioides/下の画像)は草丈ももっと高く、湿地性の植物だそうです。これで岸辺に咲いていたというのも理解できました。

 

324pxmyosotisscorpioides

クレジット

English: Flowering plant of Myosotis scorpioides (Boraginaceae).

Deutsch: Blühendes Sumpf-Vergissmeinnicht (Myosotis scorpioides ssp. scorpioides).

Datum: 10. Juni 2008

Quelle: Eigenes Werk. Location: North-eastern Lower Saxony, Germany.

Urheber: Christian Fischer

 

 

園芸品種のワスレナグサが広まったせいで、元々のワスレナグサは“シン(真?)ワスレナグサ”、英語では“Water Forget-me-not” とか“True Forget-me-not”と呼ばれるそうです。

シンワスレナグサの学名は“Myosotis scorpioides”ですが、属名のMyosotis(ミオゾティス/日本語ではワスレナグサ属)はギリシャ語のmyos(ミオス=ハツカネズミ)とotis(オティス/耳)が由来で、この草の葉が短くて柔らかいことからこの名が付いたそうです。

種名のscorpioides(スコルピオイディス)は“サソリの尾のような”という意味だそうで、花穂がサソリの尾のようにくるりと丸まっていることから。(参考:『園芸植物名の由来』 中村浩著)ブログ主にはサソリの尾よりたこの足の先っちょみたいに見えますが。

なお、ワスレナグサに関する伝説はさまざまなものがあるらしく、先に挙げたWikipediaには、“神が植物に名前を与えたところ、見落とされそうになったこの植物が「主よ、私を忘れないで」と叫んだ”ことから名付けらたという話が載っています。

また、上述の書では、“ワーテルロー(Waterloo)の戦いで死んだイギリス兵の胸からこの草が芽を出して花を咲かせ、今でもこの古戦場には戦死者のことを忘れるなとばかりにワスレナグサが咲き乱れている”といった伝説や、“ナポレオン戦争の頃、兵隊が連隊へ戻る途中、この花を摘んで女性に渡し、「私を忘れないで」と言った”という伝承もありました。

今は、シンワスレナグサが「(こっちが元祖ということを)忘れないで」と言ってるかも知れませんね。

 

 

 

 


 

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