【我が町】日本最古の甘柿 川崎の禅寺丸柿/甘柿と渋柿ってどう違うの?
先日の日経夕刊に川崎の特産品である禅寺丸柿が紹介されていたので、ブログ主の覚え書きとして記事にしておきます。
小学生の時に郷土史を習ったので、禅寺丸柿については知っていましたが、この柿が日本最古の甘柿ということはこの記事で初めて知りました。
記事によると、1214年に王禅寺(おうぜんじ)の山中で偶然に発見されたそうです。王禅寺とは川崎市の北部、麻生区にある真言宗豊山派の寺で、縁起によれば757年に創建された言う古刹です。境内には禅寺丸柿の原木があるとのこと。麻生区は昔は柿生村と呼ばれ、今でも駅名に残っています。
この甘柿を、同寺の等海上人(しょうにん)が1370年に接ぎ木による栽培を村民に勧めたことから生産が広まりました。
名前の由来はこの寺の名前からなのでしょうが、徳川家康が名付けたと言われているそうで、江戸で販売されました。
東京の目黒区にある柿の木坂の名の由来は諸説あるそうですが、その一つに、禅寺丸柿を運ぶ大八車を押すのを手伝った子供に柿を与えたからという説もあるそうです。
江戸時代や明治大正期には人気だった禅寺丸柿も、小ぶりで種が多いからと、次第に富有柿(岐阜県原産)や次郎柿(静岡県原産)に取って代わられ、今では主にワインや菓子などの加工に使われるそうです。
この記事では、柿についての一般的な情報がありました。
まず、柿の表面に付く白い粉ですが、これは果糖が結晶したものだそうです。
甘柿と渋柿の説明もありました。
そもそも、柿には水溶性のタンニンという成分があり、これが“渋”の素です。渋みを感じるのは水溶性タンニンのみで、不溶性タンニンは渋くありません。水溶性タンニンが不溶性タンニンに変わることによって、“渋”が抜けるのですが、タンニンが不溶性に変わりにくい、あるいは一部しか変わらないものが渋柿です。
タンニンを不溶性に変えるのは果実が熟すにつれて果肉から発声するアルコールなどによるものだそうで、柿を切ったときに内部に見られる黒い点々は不溶性タンニンで、「ゴマ」と呼ばれるそうです。面白いことに、このゴマは種がないとできないそうです。そう言えば、最近主流の種なし柿は中にゴマはありませんね。
ところで、甘柿は完全甘柿と不完全甘柿に分けられ、禅寺丸柿は不完全甘柿に属します。
完全甘柿は種の有無にかかわらず熟すことによって自然と甘くなりますが、不完全甘柿は木が若かったり、種が少ないと渋みが残るそうです。
前述のように、果物として市場に出回ることがない禅寺丸柿ですが、イベントなどでは販売されることがあるそうなので、機会があったら加工品だけでなく、柿そのままの味も試してみたいものです。
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