【ブログの楽しみ方】IPアドレスとは?/アクセス解析の「地域」・「アクセス地域ランキング」とは?【ココログ】
“自分のブログの読者は友人・知人がほとんどなので、○○県のアクセスが一番多いはずなのに、なんで××県がトップに来るの?”、“アクセス地域ランキングは間違ってない?”。
これはココログサポート「助け合い広場」で時々見かける質問ですが、2つの問題で、誤解を生じさせていると思われます。その2つの問題とは、
- ココログのアクセスランキングはアクセスの絶対数比ではなく、その都道府県のインターネット人口に対する相対比である。
- そもそも、アクセスしている正確な場所まで特定できるはずがない。
という点です。1はココログがこんな数字をランキングに採用しているのがおかしくて、ブログ主も理解に苦しみますが、2はブログ利用者(質問者)の誤解によるものです。
が、このこと(2)はココログに限らず、あるサイトを閲覧(アクセス)すると、「IPアドレス」やその他の情報が相手(そのサイト)に知られますが、これでどれだけ個人を特定できるのか?という疑問と関係あるので、後半で説明します。
アクセス解析の「地域」・ブログパーツの「アクセス地域ランキング」とは
アクセス解析の「ユーザ」→「閲覧環境・地域」→「地域」を見れば説明があり、公式FAQ『ユーザー>閲覧環境・地域>地域の地図と表が一致していません。』にもちゃんと説明があるのですが、それを引用すると、
アクセス解析の地域地図についてです。
地図は各都道府県のインターネットの利用人口に対し、当該サイトにアクセスしたユーザーの割合を算出し、平均値に対して高いか低いかを色で表します(赤:高い/青:低い)。
表は、サイトへの全体のアクセス数に対する、都道府県別のアクセス数の割合を表示しています。
各都道府県の割合と、このサイトの全体数の比較になるため、一致しません。
ということです。
具体的に、このブログの現在(今月=9月1日~21日)のマップを見ると、下図のようになり、山梨県がトップになっているのが分かります。(マップと、一時的にブログに表示したブログパーツの「アクセス地域ランキング」を合成した画像」)
つまり、「アクセス地域ランキング」はこのマップと同じ基準で作成されているようなのです。(但し、どのくらいの期間で集計しているのかは不明。)
いっぽう、マップの横に表示されている表(切り貼り)は下図のようになっています。
アクセスの絶対数でのランキングは東京、大阪、神奈川...の順で、上に表示されている都道府県だけでも想像できるように、全国では山梨の順位はそれほど高くありません。
なお、この都道府県を解析するために使われる情報は「IPアドレス」というものです。これについては次項で説明します。
本当はアクセス解析に表示されている「割合」(図-2)でランキングを作成してくれるのが一番いいのですが、現状、ココログがこのようにランキングを定義している以上、このブログパーツをブログに表示するかどうかは、ユーザの判断になります。
【追記】なお、ココログのアクセス解析では「PV」(ページビュー)、「UU」(ユニークユーザー=時間を空けて再訪されても1としかカウントされない)、「VISIT」(訪問=30分以上の間隔をあけずに同一ユーザーがアクセスした場合を「1回」とみなす)のように分けて定義していますが、「地域」をカウントするのに何が用いられているのかは不明です。(→『アクセス解析用語集』)
下は参考までに貼ったものですが、当ブログの、Google Analyticsの9月1日~9月20まで(Google Analyticsは前日までしか集計されない)のアクセス数ランキングです。「セッション」という独自の概念を使用しているため、ココログのカウント数とは誤差が生じます。
しかし、ココログにしてもGoogle Analyticsにしても、生データではなく、集計されたものを見せられるだけで、いわば“ブラックボックス”なので、利用者は、そういうものと理解して参考にするしかありません。
IPアドレスとは/どこまで場所(個人)を特定できるのか
- IPアドレスとはネットワーク上にある機器(サーバなど)に割り当てられたユニークな(=唯一無二の)“名前”のようなもの。
- プロバイダと契約すると、一つのIPアドレスを割り振られる。
- どこかのサイト(ホームページ、ブログ等)にアクセスするということは、そのサイトにIPアドレスやPCの情報を渡している。
- サイト管理者がIPアドレスから“場所”を特定するには使用するマップの精度による。
1と2に関して補足すると、まず、インターネットに接続してどこかのサイト、例えばココログのあるブログにアクセスするには、ルータ(ルーター)やサーバといった通信機器をいくつか経由してたどり着いています。
インターネットのネットワークは、言ってみれば郵便網のようなもので、郵便物が宛先に届くまでに、いくつかの郵便局(集配所)を経由するのに似ています。
これらの機器に割り当てられた“名前”のようなものがIPアドレス(グローバルIPアドレス)で、これは全世界(グローバル)で重複することがないように管理されています。
この通信機器で、自分のPCから一番近いところにあるのがルータという機械で、一般の戸建ての家庭では、電話機の近くなどにお弁当箱のような機械があるかと思いますが、これがルータです。
このルータに割り当てられる“名前”、IPアドレスは、プロバイダと契約することによって割り当てられます。
3については、ココログのアクセス解析、例えば「リアルタイム足あと」の画面を見れば分かると思いますが、IPアドレス以外にも、使用している機器の名前や画面サイズ、使用しているブラウザ、etc.をそのサイトに渡しています。
最後に、最も問題となる4について補足します。
「ルータ毎(≒家庭毎)にIPアドレスが割り当てられる」と書きましたが、これはあくまでも識別コードが割り当てられているだけで、これで住所が特定できるかというと、一般にはできません。ただ、そのもう少し先(外)のサーバの実際の所在地は、ある程度マッピングされて公開されています。
先ほど、ネットワークを郵便網に喩えましたが、個人のIPアドレスはせいぜい“私書箱”みたいなもので、例えば、「東京中央郵便局 私書箱××号」のように、私書箱を借りている郵便局までは特定できても、その利用者の実際の住所までは分からないというのに似ています。
下記に説明する方法で、試しに自分のIPアドレスの情報を確認してみて下さい。
まず、自分のIPアドレス自体を確認する方法は、IPアドレスを解析するサイトにアクセスしてみれば分かるのですが、自分のIPアドレスをココログのアクセス解析で知るには、アクセス解析の右上にある「設定」→「除外IPアドレス」を見ると、「なお現在このページは「xxx.xxx.xxx.xxx」からアクセスされています。」と、自分のIPアドレスが表示されます。 数字が並んでいるだけで、これだけではなんのことか分かりませんね。
それでは、IPアドレスを解析するサイトに接続してみてください。
IP Location Finder: http://www.iplocationfinder.com/
MAX MIND: https://www.maxmind.com/en/locate_my_ip
下の画像は、ブログ主が最初のサイトにアクセスしたときにIPアドレスの情報とともに表示された地図ですが、新宿の辺りがマーキングされています。(ブログ主は神奈川県に在住しています。)
図-3
もう一つのサイトでは、文字情報だけですが、もう少し精密に、居住している都市まで表示されていました。
ココログはこういったマップを作成している団体からマップ(というか名簿のようなもの=データベース)の提供を受けているだけで、そのマップの精度は、私書箱の例で言うと、せいぜい「中央郵便局」までしか分からないということです。その私書箱の正確な位置も、私書箱を利用している個人の実際の場所も知り得ないということですが、これは、ちょっと想像すれば理解できると思います。
時々、ネットの掲示板に犯罪を示唆する書き込みがあって、犯人が逮捕されたというニュースがありますが、警察や弁護士などが正当な理由を持って開示を要求しないと開かされない情報だからです。(逆の立場からすると、ブログごときに正確な位置情報を掴まれたらたまったものではありません。)
ここまで見て来たように、ココログがアクセスの「相対値でのランキング」などというヘンテコなものを使用しているのもおかしいのですが、絶対値を使ったとしても、アクセス地域なるものが正確な情報ではないのです。
ブログ主としては、ココログのアクセス地域なんてものは、「そんなにありがたがって使うものじゃないんじゃないの?」 というのが結論です。
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投稿: tomoko | 2022/07/04 17:23