【Excel2013】条件付き書式:ある条件の時にセルや行に色を付けたり文字色を変える【覚書】
条件付き書式とは -条件付き書式で何ができるのか-
まずはサンプルです。
上はTo Doリストのようなものだと思って下さい。ここで設定してある条件付き書式とは、
- 「完了日」欄に日付が記入されたら、完了ということが分かるように、その行全体をグレーに塗りつぶす。(=同じ行にあるセルA~Dをそれぞれグレーの背景色にする。)
- 「期限」欄に指定した日付まで1週間(7日間)を切ったら目立つように、日付を赤く表示する。
といったものです。
これを見て分かるように、
『条件付き書式』とは、“ある”セルの値などの条件によって、文字色や背景色、罫線といった『書式』(※)を変えて表示する機能です。“自分自身の”セルの値とは限りません。
※ Excel2013では、こういった単純な書式だけでなく、評価をアイコンで表示したり、色の濃淡で表示したり(ex. 最大値に近づくほど濃い色、低いほど薄い色で表示)といった視覚的に効果がある書式が追加されています。(後述→『条件付き書式の拡張機能』)
以下、下記の順序で使い方を説明します。
条件付き書式は条件を判定するための関数がポイント
ある条件の時にだけ行(セル)に色を付ける
- 条件式の記入方法
- 「$」の意味 (絶対参照と複合参照)
- 比較演算子の種類
- 複合条件(1) ・・・ OR条件
ある条件の時にだけ文字に色を付ける
- 複合条件(1) ・・・ AND条件
条件付き書式を他の行(セル)にコピーするには
条件付き書式の拡張機能
条件付き書式は条件を判定するための関数がポイント
この記事は「○○だったらその行に色を付ける」といった具体的なキーワードで検索されることが多いのですが、「○○だったら」という部分は様々です。
この記事で条件付き書式とは何かということが理解したら、次に「『○○である』ことを判定するのはどうしたらいいか」という観点で調べてみて下さい。
たとえば、「ある文字列(ex. “ABC”)という文字が含まれているかどうか」なら、COUNTIF関数(その文字列が含まれているセルの数が返される)を使います。「曜日を判定する」のなら、「日付から曜日を取り出す」関数であるWEEKDAY関数を使います。WEEKDAY関数が返してくれる値(日曜なら"1"、月曜日なら"2"...)を条件に指定することになります。
このように、条件付き書式を使いこなすと言うことは、条件を判定するための関数がキーポイントです。
【追記】この、ある条件の時に行全体に色を付けるというテクニックは、カレンダーのような表で、「土曜日」ならその行を青に、「日曜日」や「祝日」ならその行をピンクに、といった使い方をすることができます。土日や祝日の判定に関する検索が多いので別途記事にしました。当記事を読んでいることを前提として記述しています。
→『【Excel2013】条件付き書式/カレンダーや予定表など、土曜日、日曜日、祝日の行に背景色をつける方法』
【追記3】COUNTIF関数を使用して特定の文字列が含まれているセルに色を付ける方法はこちらの記事をお読み下さい。
ある条件の時にだけ行(セル)に色を付ける
図-1の表の2行目の「完了日」欄(D3=D列3行目)に日付を記入した場合にその行(A3~D3)の背景色を全てグレーにするというのは、行とは言っているが、実際にはA3~D3それぞれのセルに条件付き書式が設定してあるために、このように表示されることに注意。(つまり、3行目で言うと、A3、B3、C3、D3、それぞれのセルに、「C3に日付が記入されたら(=ブランクでなければ)、セルをグレーにする」という条件付き書式が設定してあるため、結果としてその行全体が塗りつぶされる。他のセルも同様。)
1.この設定を表の全てのセルに行うので、下のように、ドラッグで範囲指定。
2.その状態で、「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールの管理」を選択。
3.[新規ルール]ボタンを押す。
4.「新しい書式ルール」ウィンドウが開くので、「数式を使用して、書式設定をするセルを決定」を選択。
○条件式の記入方法
5.条件を数式で指定する。
まず「=」(イコール)を記述してから条件式を記入する。ここでは、下記のように記述。(全て半角で記述すること。)
=$D2<>""
意味は、「D2のセルの値($D2)がブランク(""←比較する文字列はダブルクォーテーション「"」で囲むが、ブランクと比較する場合はダブルクォーテーションの間に何も書かなくてもよい)ではない(<>)」という条件を表す。つまり、「完了日欄がブランク以外なら」という条件になる。(「$」や比較演算子「<>」については後述。)
参照すべきセル=条件となる「完了日」は一番上のセル(D列の一番上のセル=D2/図-7)を指定。「$」をDの前に付けることで、参照先はD列が固定される。行番号(=2)の部分は可変。(つまり、どのセルから見ても参照先がD列で、行はそのセルに応じて変わらなくてはならないので、このように指定する。)
○「$」の意味 (絶対参照と複合参照)
Excelでは数式を他のセルにコピーして使うことがよくあるが、コピーすると数式に使った参照先がずれてしまう。これをずれないようにするには、「$」を付けて『絶対参照』(ex. 「$A$2」)の形式にする。
下の例では、E2セルに「=D2*A2」(額面×換算レート)という式を入力し、この計算式を下のセルE3にコピーすると、「=D3*A3」となってしまうが、他の行でも、レートの入力されているA2セルを必ず参照させたい。このような場合に絶対参照形式を使用する。
列だけ固定する場合は「$A3」、行番号だけ固定する場合は「A$3」のように片側の要素の前にだけ「$」マークを付ける。これを『複合参照』形式という。
なお、「$」は直接入力するか、「A2」セルをクリックして「=D2*A2」のように記述された状態で、[F4]キーを何度か押すと、「$A$2」→「A$2」→「$A2」と切り替わるので、「$A2」になるまで何度か[F4]キーを押す。
この場合は、「完了日」の列=「D列」に固定したいので、「$D2」と記述している。
○比較演算子の種類
- ~(右辺)と等しい: =
- ~(右辺)と等しくない: <> (≠の意味)
- ~(右辺)より大きい: >
- ~(右辺)より小さい: <
- ~(右辺)以上: >= (≧の意味)
- ~(右辺)以下: <= (≦の意味)
○複合条件(1) ・・・ OR条件
なお、 条件式(=$D2<>"")の最初に「=」を記入したのは、条件が一つの場合で、複数の場合は、「OR=」として、下記のように括弧の中に条件式をカンマ「,」で区切って記述する。
=OR(条件式,条件式)
ex. =OR($C31="Sun",$C31="Sat") ・・・ $C31の値がSunまたはSatなら
6.図-6の[書式]ボタンを押し、書式を設定する。
ここではセルの塗りつぶしをグレーにする。→[OK]で確定。
一覧以外の色を指定する場合は、[その他の色]ボタンを押して指定する。
7.前のウィンドウに戻り、今設定した条件付き書式ルールが表示されているのが分かる。
続けて次のルールを記述することもできるが、ここでは一旦[OK]ボタンを押して終了し、ルールが機能しているかどうか確認してみると、3行目全体がグレーになっているので成功。([OK]ボタンを押すと、作成したルールは保存される。保存する前にテストしたい場合は[適用]ボタンを押すとよい。)
ある条件の時にだけ文字に色を付ける
1.条件付き書式を設定するセル(C列)をドラッグで選択し、「ホーム」→「条件付き書式」→「ルールの管理」を選択。
2.このセルには既に一つの条件付き書式ルールが設定されているので、それが表示されている。ルールを追加するので[新規ルール]を押す。
3.「新しい書式ルール」ウィンドウが開く(図-5と同じ)ので、「数式を使用して、書式設定をするセルを決定」を選択。
ここで入力する条件は下記の通り。
=C2-TODAY()<7
【訂正】 図-13で、「<」の左辺に書いた括弧は不要。つまり「(C2-TODAY())」ではなく、上のように「C2-TODAY()」だけでよい。
「C2」とは「期限」欄=C列 の一番上のセル。ここでは同じ列にしか条件を設定しないので、『複合参照』形式にする必要はない。
「TODAY()」とは今日の日付を取得する関数。つまり、この表を開いたときの日付が値として返されるので、「(C2-TODAY())」の演算は、「期限-今日の日付」を意味する。
この計算結果が「7(日)より小さい場合」というのが「<7」。
[書式]ボタンを押し、以下、この条件に合致した場合に適用する書式を設定する。(図-14、15)
3.
4.
5.ルールが追加された。
複数のルールが設定されている場合、上にある方が優先される。順番を変えるには[▼]または[▲]を押す。
[OK]で完了し、結果を検証する。(図-1再掲)
このテストを行ったのは2014年08月3日なので、8月4日と8月9日はルールが適用されて赤く表示されている。
○複合条件(1) ・・・ AND条件
ここでは「期限」欄の日付が7日を切って赤くするという条件付き書式を設定した。完了したら=完了日に日付が記入されたら赤くする必要がないのであれば、「AND条件」で複数の条件を設定する。即ち、「=AND(C2-TODAY()<7,D2="")」とする。形式としては、
=AND(条件式,条件式)
意味は、『期限が7日を切っている〔C2-TODAY()<7〕、且つ、完了日欄がブランク〔D2=""〕である場合』となる。
「D2=""」の「D2」を「$D2」にしなくて良いのは、既に『$の意味』で説明したとおり。
条件付き書式を他の行(セル)にコピーするには
関連記事 『【Excel2013】条件付き書式:条件付き書式を他の行(セル)にコピーする』を作成しました。
ここでは、Excel2013を使用して条件付き書式の設定例を説明しましたが、途中の画面(ウィンドウ)が若干違うだけで、古いバージョンのExcelでも同様に操作することができます。
ている。
条件付き書式の拡張機能
また、この例は数式を使った条件付き書式ですが、Excel2013には、評価をアイコンで表示したりできるような機能など、従来のバージョンにはなかった表現方法も用意されています。(下図参照)
⇒アイコンを使った条件付き書式に関する関連記事『【Excel2013】条件付き書式:保有株式の損益を視覚的に表現する【覚書】』
但し、こういった新機能を使ったExcelファイルは従来のバージョンのExcelでは機能しないこともあるので注意が必要です。(ひとにファイルをあげる時などは要注意。)
なお、下のように手作業でセル内の文字の一部の書式を変えるのは条件付き書式とは関係ありません。こちらの記事『【Excel2013】セル内の一部の文字だけに色を付けたり書式を変える/「数式バー」の使い方』で説明しています。
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