【書籍】瀬戸内晴美編『恋と芸術への情念』-柳原白蓮-
ブログ主はあまりドラマは見ないのですが、NHKの朝のドラマ「花子とアン」は時々見ています。(BSも合わせると、一日中再放送しているので、見られるときに、くらいですが。)
このドラマで主人公よりも存在感を見せている人物、ドラマでは蓮子(れんこ)となっていますが、燁子(あきこ/「あき」は表示されるかな?漢字は火へんに華、李スンヨプのヨプです。)=柳原白蓮は以前興味を持って本を読みました。手元に残っている本で、主人公の村岡花子とのエピソードを探したら、こんなことが書いてありました。
(村岡花子は)当時から語学の天才で、英語の小説や詩をよく読んでくれた。あるとき、テニソン(ブログ主註:Alfred Tennyson/イギリス、ヴィクトリア朝の国民的詩人)の『王の牧歌集』を翻訳したノートを貸してくれた。(中略)次のような句が最後に置かれていた。「乙女の恋は栄光の冠、人妻の恋はいばらの十字架。燃えさかる恋の炎に二つはなかろうものを、人の世の制裁(おきて)は悲しくも冷たい。」(中略)のちに自分がこの物語のヒロインと同じ運命を辿るとは、夢にも思わなかった、と燁子(柳原白蓮)は記している。
この本によると、後に、東洋英和で過ごした4年間ほど、自分の人生の中で楽しく平和なときはなかった、と述べているそうです。
この本とは、瀬戸内晴海編『恋と芸術への情念―人物近代女性史』 (講談社文庫)という本で、柳原白蓮の他に、松井須磨子、三浦環、長谷川時雨、高村智恵子、原阿佐緒らが取り上げられていて、各々数十ページにまとめられているので、ざっと生涯を知るのには最適な本です。
このシリーズについてもう少し書くと、他には与謝野晶子、岡本かの子、林芙美子らを取り上げた『火と燃えた女流文学』、樋口一葉、津田梅子らの『新時代のパイオニアたち』、クーデンホーフ・光子、シーボルト・イネらの『国際結婚の黎明』、平塚らいてう、市川房枝らの『自立した女の栄光』、伊藤野枝、川島芳子らの『反逆する女のロマン』、山川菊江、上村松園らの『明治女性の知的情熱』、九条武子、出口ナオ等を取り上げた『人類愛に捧げた生涯』といったラインナップで、ほとんど読んだのですが、皆、ドラマチックな人生を送った女性が紹介されています。
これ以外に読みやすかったのは、林真理子著の『白蓮れんれん』で、出版当時に読んで、もう手元にはありませんが、お勧めです。
« (・∀・)100均シノブで苔玉を作ってみた | トップページ | 【ブログ主覚書】苔玉/Windows定例update/その他 »
« (・∀・)100均シノブで苔玉を作ってみた | トップページ | 【ブログ主覚書】苔玉/Windows定例update/その他 »
コメント