インディアンの魔除け「ドリームキャッチャー」にまつわる昔話
家族がグランドキャニオンやその周辺の国立公園を巡る旅のお土産として、ドリームキャッチャー(dream catcher)なるものを買ってきてくれました。
こんな形をしています。
あ、ネット状になっている部分に置いてあるのはブログ主が置いたカエルの置物です。
ブログ主は今回初めて知った...と思ったのですが、そう言えばNHKで放映された『坂の上の雲』で、秋山真之が病に冒された正岡子規に手渡すシーンがあり、その意味も説明していましたね。
画像にも映っているように、小さなタグがついていて、そこに簡単な説明がありました。
それによると、
ドリームキャッチャーとは、悪夢を絡め取り、楽しい夢を持ち主に届けるもの
だそうですが、この蜘蛛の巣とか形状にどのような由来や意味があるのかと思って調べてみたくなりました。
Wikipediaによると元々はオジブワ族(Ojibwa)独特の物だったが1960年代以降に他の部族にも広まったというようなことが書いてあり、そこにリンクされているサイトにはその伝説が書いてありました。
“Legend of the Dream Catcher”(ドリームキャッチャーの伝説)というタイトルの文章ですが、これはラコタ (Lakota/=スー族(Sioux)に属する民族集団)に伝わる伝承です。
“知の神”Iktomiがラコタの指導者に語った話ですが、面白いので簡単にご説明します。
ラコタの長の前にクモの姿をした“知の神”Iktomiが現れ、柳の枝でできた輪に蜘蛛の巣をを張りながら語った。
“人間は赤ん坊として始まり、子供時代を経て大人になり、やがて年老いて赤ん坊のように他者に世話をされる、こうして『人生の輪』は完結する。”
“しかし、その時々に、邪悪な力がその者を誤った方向に導こうとする。自然の調和や偉大なる神の教えに反する方向へと。”
Iktomiは蜘蛛の巣の中心に移動して、話を続けます。
”見なさい。この巣は完璧な輪だが、中央にに穴が空いている。”
“これを使って人々を導きなさい。偉大なる神を信ずれば、邪悪な考えは、この穴を通り過ぎていく、しかしよい考えはこの巣が受け止める。”
面白いのは、この伝承に基づくと、ドリームキャッチャーは、悪夢を祓い、よい夢を残してくれるという点で、一般に伝わっている話と少し異なります。こういう民話や伝承は種族毎に様々なバリエーションがありそうですね。
タグの説明によると、ドリームキャッチャーは、本来は柳で作った輪に鹿の腱(deer sinew)を使って編むようで、周囲に魔除けになる羽やビーズを飾るそうですが、ブログ主の手元にあるものは矢じりのようなものも留めてあります。
ここで、「ん? 鹿の腱?」と思って調べてみたら、腱から取り出した繊維状のもので、弓の弦などに利用されるのだそうです。
では、ドリームキャッチャーはどこに掛けるのが最適なのでしょうか。
ブログ主が貰ったドリームキャッチャーのタグには、このように書いてあります。
「朝日を待ち受けるよう、家(lodge)の東側に掛けること。朝日は闇の時間に(ドリームキャッチャーが)捕まえた悪夢を焼き払ってくれる。」
多分、ロッジの中は細かく部屋に分かれていないのでしょうから、寝室の東側とか、家の東側、朝日の当たる場所が良さそうです。
ところで、ドリームキャッチャーのようなものは、“お守り”や“縁起物”(charm)ではなく、“呪物”(fetish/魔力があるとして崇拝されるもの)と呼ばれます。
鰯の頭も拝んでしまう日本人は、わりとこういうものが好きな人が多いのではないでしょうか。
そう思って、家の中を探してみたら、こんなものがありました。
カエルの置物です。
「お金が帰る」、「待ち人が帰る」の「帰る」と「カエル」の語呂合わせで、こういうものはチャーム(縁起物)ですね。
尤も、ブログ主は単にカエル好きだから買ったのですが。
もう一つ、こんなものがありました。
ニュージーランドの先住民であるマオリ(Maori)の守り神、ティキ(Tiki)です。
神といっても伝承では最初に創りだされた「男」(アダムとイブのアダムのようなもの)だそうですが、守り神のような形でマオリの建造物に飾られる他、置物やペンダントトップのデザインに使われています。(ペンダントはハイ・ティキ/Hei-tikiと呼ばれ、女性が身につけるものだそうです。)
目に使われているのはパウア(Paua)と呼ばれるアワビのような貝の殻です。(リンクはWikipediaの画像ページ)
一時期ニュージーランドばかり行ってたので、ブログ主の家のあちこちにティキがいますが、ウチには神棚もあるし、家の中でインターナショナルな神々がどんな会話をしているのでしょうか?
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