【書籍】蓮池薫著 『拉致と決断』読了
数週間前に読売新聞で北朝鮮による日本人拉致被害者の一人、蓮池薫氏の新著の記事を見て早速購入。実はすぐに読了したのですが、ブログを書きかけのまましばらく放置していました。ブログ主の覚書として記事にしておくことにします。
内容は下に掲載した記事に詳しいのですが、構成について少し補足をしておくと、新潮社の雑誌『波』に約2年に渡って連載した手記をまとめたものなので、その連載単位なのか、27の章に分かれており、各章は8ページほどで完結しています。時系列に書かれているわけではないので、興味のある章から読んでもよいかと思います。
この本では、拉致当時の生々しい話や他の拉致被害者の目撃情報などはほとんど出てきません。彼の地で生き延びよう、家族を守ろうと決意した後の、招待所の内外で接した人々、北朝鮮内部の政治的変化や国際情勢の変化による社会の変容が具体的な例で描かれています。
招待所と呼ばれる監禁場所での24年間に及ぶ生活は、北朝鮮の市井の人々の生活とはかけ離れているかも知れません。ご本人も本の中で仰っているように、一般的な生活水準から比べると衣食住は恵まれており、ある意味“特権階級”ではありますが、招待所で働く人々や旅先で垣間見た人々の姿は、やはりその国に住んでいるからこそ観察し分析しうるものです。
特に心に残ったのは、単身北朝鮮を訪れて「統一」の思いを演説した韓国人女子大生に対する北朝鮮女性の反応に関するくだりでした。彼女の語る言葉だけでなく一挙手一投足に「真の自由」を見いだして憧れ、彼女が韓国に出国後、国境で逮捕されたという報に多くの女性が涙したという話はテレビニュースなどで見る女性達の姿とは異なり、非常に新鮮でした。
【関連サイト】
- 北朝鮮による日本人拉致問題(政府 拉致問題対策本部公式サイト)
- 北朝鮮による日本人拉致問題(Wikipedeia)
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