【ブログ主覚書】『KATAGAMI Style』展(三菱一号館美術館)
新聞に、気になる美術展の記事がありました。『KATAGAMI Style』展というタイトルで、東京での開催(~5月27日)後、京都と三重で開催されるそうです。
ちょっと行ってみたい。
ブログ主の興味を引いたのは、ウィーン工房のK.モーザーに影響を与えたという部分。
K.モーザーとは、コロマン・モーザー(Koloman Moser/1868年3月30日~1918年10月18日)のことで、ブログ主の好きな画家の一人です。
画家と書いたけれど、ウィーン工房(Wiener Werkstätte/1903年~1932年)の設立者の一人として活躍し、この工房はグラフィックデザインや家具のデザイン、服のデザイン、室内装飾や住宅の設計など、斬新的なデザインの作品を世に送り出しました。
ブログ主は、2度目のウィーンの旅ではひたすら美術館巡りをしたのだけれど、その時に買ったコロマン・モーザーの本が、これ(↓)です。(大型本のため、一部切れているけど)
この作品集からコロマン・モーザーの作品をいくつかご紹介すると、
こういった作品です。
(ウォーターマークを入れてあります。)
日本でも、例えば竹久夢二(1884年9月16日~1934年9月1日)が商業的に便箋や着物のデザインなどを手がけていましたが、ウィーン工房と同時期ですね。
この少し前、つまり、19世紀末にはヨーロッパに新しい芸術の気運が高まり、ウィーンを中心としたドイツ語圏ではユーゲントシュティール(Jugendstil/日本語では「青春様式」と訳される)、フランスではアール・ヌーヴォー(Art Nouveau)が開花するのですが、ユーゲントシュティールの代表的な画家の一人、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt)もブログ主の好きな芸術家です。
名前をご存じなくても、作品を見れば、見たことがある方も多いのでは?
例えば、『Judith Ⅰ』(ユーディット/1901年)とか。
(ブログ主の手持ちの画集より。ウォーターマークを入れてあります。)
クリムトの金の使い方なども、日本の美術の影響を受けていると言われていますね。
一般的に、ユーゲントシュティールはアール・ヌーヴォーのドイツ版というような紹介をされるのですが、ブログ主は美術について詳しいわけではないけれど、その後のアール・デコ(Art Déco)の時代もカバーしていると思います。
優美な曲線が特徴的なアール・ヌーヴォーから、幾何学的なデザインながらも、エレガントな印象のアール・デコは直線的なデザインの日本家屋に住む日本人には違和感がなくて、落ち着く空間のような気がします。
例えば下はウィーン工房のショールームです。
日本、と言うか、都内でユーゲントシュティールを見られるのは、(最近ブラタモリで知ったのだけど、明治神宮外苑にある聖徳記念絵画館ですね。(リンク先サイトのフラッシュ動画で内装の一部を見ることができます。)
調べたら、起工:(1919年)大正8年3月5日、 竣工:(1926年)大正15年10月22日ということです。
ブログ主は建築は全くの門外漢ですが、ヨーロッパに旅するようになって、やはり建築史くらい知っていた方が楽しめるので、本を読んで、建築にも興味を持つようになりました。
そういう意味ではウィーンはとても楽しい都市です。
最後に、スナップ写真をスキャンしたものですが、この時期の建築物の写真を数枚...
ウィーンの郵便貯金局(1906年~1912年)、つまり郵便局ですが、オットー・ワーグナー(Otto Wagner)の設計です。(こういうのを見ると、ユーゲントシュティールをアール・ヌーヴォーと呼んでしまうのはちょっと違和感があります。それとも、アール・デコはもう少し範囲の狭い言い方で、美術史や建築史的にはアール・ヌーヴォーの時代に含まれるのかな?)
調度品はレプリカだろうとは思うけど、こういう歴史的建造物が普通に使われているのは羨ましい限りです。
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