無料のフォトフレーム画像とExcelでスクラップブック風フォトギャラリー
初めに
この記事は、特別なアプリがなくても、無料のフォトフレーム画像を使って、WindowsのPC付属のExcel(またはWord)とペイントだけ でも、これくらいのことができますというご紹介です。(関連記事で「ペイント」を使わず、Excelから直接画像を取り出す方法もご説明しているので Excelだけあればできます。)
下は説明に使用するサンプル画像です。(あり合わせの画像を使ったので、完成度は「?」だけど... 笑って許して下さい。)
クリックすると拡大されて別ウィンドウ(別タブ)で表示されます。
ここで使用するフレーム画像は『キヤノン クリエイティブパーク』からダウンロードしたものです。このサイトはユーザ登録しなくてもすぐにダウンロードでき、フレーム以外にもペーパークラフトや年賀状、カードなどの素材が多数無料で公開されています。他のフォトフレーム画像でも方法は同じですので、参考になさって下さい。
その他、当記事ではWordよりも画像が扱いやすいExcel(Excel2003)を使って、Excelの扱いにあまり慣れていない方でも、画像を傾けたり(回転させたり)、文字を入れたりできる方法を説明しています。最終的には、ブログなどのWebサイトに掲載もできるよう、画像として保存します。画像として保存することで、デジタルスクラップブッキングとして楽しんだり、Wordに貼り付けて年賀状などにも利用できます。
(下の画像はWordに貼り付けたところです。)
また、このページでは画像の上に文字を重ねるテクニックもご紹介しています。
最初に掲載したサンプルの右上の画像は、他のブログなどで時々見かける、上にSanta Clausという文字を透明っぽい感じで重ねてています。(画像の転載防止などにコピーライトを主張する文字を入れているのを見かけますね。これをウォーターマークと呼びます。)こんなことも実はExcel(Word)でできちゃうんです。
ここでは、Excelで画像をデザインしたした後に、最後に画像としてPCに保存するためにはペイントというアプリケーションを使用しています。ペイントは、スタートボタン→「全てのプログラム」→「アクセサリ」の中にあります。こんなアイコンです。
(使用しているPCのOSはWindous XPのService Pack3 なので、他のバージョンでは多少操作方法が異なるかも知れません。)ペイントに画像を貼り付けた際に、キャンバスのサイズが画像より大きくて余白が多すぎるときは、右下角をドラッグすることでキャンバスを小さくすることができます。(下の画像ははめ込みでカーソルの絵をやや誇張してあります。)
保存は、ファイル形式をjpg(またはpng)にしてください。
Excelで作成したイラストや図を背景透過画像(png)で保存する方法は、『関連記事:『Excelでお絵かき』を参照して下さい。
それでは操作開始です。
1.まずはフォトフレーム選び
キヤノンのフォトフレームを使用しない場合は、『2.Excelにフォトフレームを挿入する』に進んで下さい。
『キヤノン クリエイティブパーク』から、好みのフォトフレームをダウンロードします。(このサイトの操作方法は、詳しくはキヤノンのサイトの『よくある質問』をお読み下さい。なお、このサイトの素材は商用目的には使用できません。)
フォトフレームはpng(ピング)という形式で、下の画像ではよく分かりませんが、フレームの内部=写真が収まる部分が透過しています。(画像は縮小してあります。)
2.Excelにフォトフレームを挿入する
Excelのマス目(セル)は「横(列)+縦(行)」の英字と数字を使って、B2(B列の2行目)のように呼びます。
選択するセルはB2でなくてもいいのですが、作業はA列以外、2行目以降のほうがやりやすいかと思います。後で画像全体を選択するときに、A1だと選択しにくいからです。
「図の挿入」ウィンドウが開くので、フォトフレームを選択して[挿入]ボタンを押します。
画像が挿入されました。(フレームの内側にExcelのセルが見え、透過していることが分かります。)
Excelのページは「シート」と呼びますが、表示サイズを縮小したり拡大したりすることができます。「ズーム」の数字をリストから選択するか、あるいはこの欄に直接数字(85%なら85と半角で入力)することで、任意のサイズに変更します。画像全体を選択する作業など、画面に画像全部が入りきらないときは縮小すると便利です。
操作をやり直したいときは、ツールバーにある「元に戻す」ボタン(アイコン)を1回クリックすることで一つ前の作業を16操作まで取り消すことが可能です。
3.フレームに入れる画像の挿入
適当なセルを選択し(後で画像はドラッグして移動するので、どのセルでもOKです。)、2と同じ方法で画像を選択し、シートに貼り付けます。
挿入した画像をドラッグでフレームの辺りまで移動させます。
シートに貼り付けた画像や、後に出てくるテキストボックスなどは「オブジェクト」と呼ばれます。特定のオブジェクトに対して作業するときは、そのオブジェクトをクリックして選択する必要があります。
オブジェクトが選択されているときは、四隅などに丸い点(マーカー)が表示されています。また、オブジェクト選択中は、カーソルが から のような形に変わっています。
4.画像を編集する
4.1.画像を傾ける(画像を回転させる)
画像の傾きは上図のように「回転ハンドル」で行うほか、図4-2で示した「図の書式設定」にある「回転角度」に数字を設定しても行うことができます。
4.2.画像のサイズを変更する
画像の上でダブルクリックして表示される「図の書式設定」で、高さを%の数字(120%なら「120」)を半角でで入力します。「縦横比を固定する」にチェックが入っている場合、高さだけ指定すればOKです。指定したサイズに画像が拡大または縮小されます。
上記画像は、一度サイズを変更してから再度「図の書式設定」を表示しています。(数字を入力している最中では画像のサイズは変化しません。)
4.3.画像の重なりの順序を変更する
画像を選択し、その上で右クリックして表示されるメニューから、「順序」→「最背面に移動」を選択します。(2枚の画像の順番なので、「背面に移動」でもOKです。)
最背面に移動しました。
画像がずれている場合や大きさが適当ではない場合、修正する必要があります。
背面に移動した画像は選択できないので、フレームを最背面に戻してから、再度、4.1.~4.3.の作業を繰り返して修正します。
Excelでも、簡単な画像の編集ができます。
画像の上で右クリックして表示されるメニューから、「[図]ツールバーの表示」を選択すると、下のようなツールバーが表示されます。図4-5
図4-6 「図」ツールバー各アイコンにカーソルを持っていくとツールチップ(機能の説明)が表示されるので、色々試してみて下さい。例えば、画像を白黒(グレースケール)にしたり、コントラストを変更したり、明るさを変えたり、また、トリミングもできます。
他のフレームにも画像も挿入して、最後に、フォトフレームの画像を最前面にします。
5.文字を挿入する
画像の上に文字を配置するには、テキストボックスを使用して文字を入力する方法と「5.2. ワードアートで文字を挿入する」で説明するワードアートを使用する方法があります。 年賀状などで最終的にWordに貼り付けるのでしたら、テキストボックスはWord側で追加することをお薦めします。なぜなら、画像として保存したときにテキストボックスで入力した文字がギザギザとやや汚くなるからです。テキストボックスの扱いはWordでの操作も全く同じです。
5.1.テキストボックスを使用する
文字を挿入する一番簡単な方法は、「テキストボックス」を挿入して、文字を入力する方法です。下の「玄関のクリスマスコーナーです」という文字はテキストボックスを使っています。
シートの下の方に「図形描画」ツールバーが表示されている場合は、「テキストボックス」のアイコンをクリックします。
すると、下のようにテキストボックスが選択されている状態になります。
もし、「図形描画」ツールバーが表示されていない場合、メニューから、「表示」→「ツールバー」→「図形描画」を選択すると表示されます。
次に、文字を書きたい場所でクリックすると、文字の入力されていないテキストボックスが挿入され、カーソルが点滅します。テキストボックスは後で移動できるので、おおよその位置で構いません。好きな文字を入力します。(フォントや文字サイズ、色などは後で変更します。)→Tips
または、テキストボックスを作りたい場所で、左上から右下にドラッグして、予め、ある程度の大きさのテキストボックスを作っておきます。
(画像は他の記事からの転用です。→『Wordで年賀状-画像を自由に配置する/画像の上に文字を配置する-NEW』)
文字が入力できたら、文字を装飾していきます。
テキストボックスが選択されている状態で右クリックをします。
上図のようにメニューがポップアップするので、「テキストボックスの書式設定」を選択します。(テキストを修正するときは、「テキストの編集」を選択します。)
ここで、フォントやスタイル、サイズ、文字の色を変更することができます。
また、下のように、テキストボックスの位置を変えたり、ボックスの枠を広げたりすることもできます。
テキストを傾けたい(回転させたい)場合、例えば、下のようなやや凝った装飾の文字を入力する場合は『ワードアート』を使用する方が便利です。
図5-8
ワードアートの説明をする前に、テキストボックスで挿入した文字を傾ける方法を説明します。
それは、テキストボックスをコピー(テキストボックスを選択した状態で右クリックし、ポップアップするメニューから「コピー」を選択)し、貼り付けたい任意の場所で右クリックしてメニューを表示します。このメニューから、「形式を選択して貼り付け」を選択し、「PNG」または「GIF」形式を選択すれば、図形として貼り付きます。この図形を4.1.の方法で傾ければよいのですが、フォントによっては、画像が汚くなる場合があります。
上の図の上段はテキストボックスのまま、下段はPNGに変更して貼り付けたものですが、右側「CHRISTINA」というフォントで書いた「Christmas Gallery」という文字が汚れています。
5.2. ワードアートで文字を挿入する
「図形描画」ツールバーにある「ワードアートの挿入」アイコンを押します。
すると、下のような「ワードアートギャラリー」が表示されるので、好みのスタイルを選択して[OK]ボタンを押します。サンプルでは、左上のシンプルなものを選択しました。(スタイルも後から変更することができます。)
次に、下のようにテキストを入力する「ワードアートテキストの編集」画面が表示されるので、任意の文字を入力します。(下は既にChristmas Galleryと入力した後です。)フォントやサイズは後でも変えられます。
[OK]ボタンを押すと、シートにワードアートが貼り付きます。図5-11で選択したスタイルが適用されています。
図5-13
次に色などを変更します。ワードアート(挿入した文字)を選択(クリック)して下さい。下のような「ワードアート」ツールバーが表示されます。(表示されない場合は、ワードアートの上で右クリックして表示されるメニューから、「[ワードアートツールバー]の表示」を選択します。)
図5-14
ワードアートツールバーから、「ワードアートの書式設定」をクリックして選択します。
サンプルでは、塗りつぶしの色を茶色に変更し、線の色を「線なし」に変えました。
次に、 ワードアートツールバーから、「テキストの編集」をクリックして選択します。
サンプルではフォントをCHRISTINAに、サイズ(→Tips)を16に変更しました。この時点で、下のような文字になります。
図5-17
ワードアートの文字サイズは『サイズ』欄のプルダウンメニューから選びますが、好みのサイズがない場合は、適当なサイズを選択して、[OK]で終了させ、オブジェクトの枠線にあるポインターをドラッグしてサイズを変更することが可能です。四隅のどれかのポインターを、[Shift]キーを押した状態でドラッグすると、縦横の比率を変更することなく拡大や縮小ができます。
もう少し装飾を加えてみます。
オブジェクト(ワードアート)を選択した状態で、「図形描画」ツールバーにある「影付きスタイル」をクリックします。
すると、下のようなメニューがポップアップします。
図5-19
ここでは、「影スタイル14」(右下に細い影)を選択しました。
すると、下のように影がつきます。
図5-20
影の調整は、図5-19のメニューから「影の設定」を選択します。すると下のようなツールバーが表示されるので、ここで影の出方や色などを微調整します。
図5-21
あとは、4.1.に説明したように回転ハンドルを使って、ワードアートで作成したテキストを傾けます(回転させます)。
図5-22
回転ハンドルの操作が難しい場合、「ワードアートの書式設定」プロパティ→「サイズ」タブにある「回転角度」欄に数字(角度)を指定して回転させることも可能です。
5.3. 透過した文字を挿入する
ここでは、画像の上に透けたような感じで文字を配置する方法を説明します。
これはワードアートで作成した白い文字を透過させるているだけです。既に図5-15で説明したので、プロパティの画面だけご紹介します。
「透明」欄のスライドバーで好みの透け具合に調整して下さい。文字色も背景画像の色に合わせて色々試して下さい。
6.作成した画像全てをペイントに貼り付け、画像として保存する
6.1.ペイントを起動する
Excelをhtm形式で保存して画像を取り出すという“裏技”もあります。(詳しくは、関連記事『Excelでお絵かき』で説明しています。)
(ペイントの起動方法は最初の方に説明しました。)
6.2.画像を全て選択し、ペイントに貼り付ける
この時、図2-3で説明したように、画面を縮小表示にして、図形が全て画面に収まるようにしておくと作業が簡単です。
「図形描画」ツールバーの「オブジェクトの選択」アイコンをクリックします。
そして、図形全体を選択するように、ドラッグ(例えば赤い矢印で示したように右上から右下まで)すると、ドラッグしている最中は下のように点線の矩形が表示されます。
ドラッグし終わると、下のように、全ての図形が選択されます。
この状態で右クリック(→Tips)するとメニューが表示されるので、「コピー」を選択します。
右クリックして表示されるメニューについて
オブジェクト(画像等)を選択した状態で右クリックが難しい場合は、通常のメニューから「編集」→「コピー」を選択しても構いません。
このページで(というかブログ主)は右クリックを多用していますが、右クリックで表示されるメニューは、“あるオブジェクトを選択した場合に使用するであろうメニューをまとめて表示してくれるので、次の操作が素早くできます。
次にペイントのウィンドウに切り替えて、メニューから「編集」→「貼り付け」を選択します。すると、画像全体がペイントに貼り付きます。
あとは、「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択して、任意の名前を付けて画像として保存します。(ファイル形式はJPEGにします。)
注意:Excelで「オブジェクトの選択」アイコンをクリックすると、もう一度クリックするまで、その状態が保たれてしまいます。Excelでの他の作業ができないことがあるので、必ずリセット(解除)しておいてください。リセットは「図形描画」ツールバーの「オブジェクトの選択」アイコンをもう一度クリックします。
【補足】
「図形線描」ツールについては必要最低限しか説明しませんでしたが、「オートシェイプ」から図形や矢印(コネクション)を追加することもできます。吹き出しなど、シンプルな画像がメインですが、Microsoftのクリップアートを追加して画像を増やしたりできます。(クリップアートの画像は追加しなくても、通常のコピー&ペーストでもExcelに貼り付けられます。)
【関連記事】
『Wordで年賀状-画像を自由に配置する/画像の上に文字を配置する-NEW』
年賀状作成は上記記事をご参照下さい。
『Excelでお絵かき』
WordやExcelに付属している図形(オートシェイプ)やワードアートを駆使して、様々なイラストを描く方法を紹介しているページです。
『オリジナルフォトフレームで写真を飾ろう』
下のような例でオリジナルフォトフレームを作成する方法を説明しています。
ここでは、画像の一部を透過させるテクニックを説明しているので、例えば下のように、既存の画像をフォトフレームに作り替えることもできるようになります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。この記事がお役に立てれば幸いです。
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