海を渡った侍
プロ野球のシーズン中なので、裏番組を録画して、試合のない月曜日なんかに観る、というのが最近のテレビ視聴パターンになってます。
それで活用しているのが、NHKの番組に限定されるけど、「お気に入り番組ウオッチ!」と「再放送ウオッチ!」いうシステム。
それぞれ、観たい番組を登録しておくと、放送前にメールでお知らせが来るのと、再放送が決定したときに同様にメールが届くというもの。
「お気に入り番組ウオッチ!」はまだ試用版のようで、メール受信の時間を設定できれば、もう少し便利かと思う。今は放送当日の昼頃に届くようです。「再放送ウオッチ!」は放送済みの番組を、「もう一度見たい」と登録しておくと、再放送が決定したときに分かるというもので、再放送の要望アンケートを兼ねているのかも知れませんね。
と言うわけで、野球のない日に『龍馬伝』を視聴。
内容については語ることはないけれど、ずっと見てきて、幕府側が矮小化されているのは残念に思う。
このドラマは、倒幕側(薩長)=善、幕府側=悪、で、薩長のフィクサーのような龍馬さんカッコイイという単純な構図になっているけれど、敵役も大きければ大きいほど勝者も格好良くなるとは思うのだけど...
それと、沈みゆく船(幕府)にありながら、懸命に活路を見いだそうとした小栗上野介/小栗忠順(おぐりこうずけのすけ/おぐりただまさ)のような人にはスポットが当たるかと思っていた。
ドラマの中では、時々、フランス公使とフランス語でやりとりしている姿が挿入されるだけで、フランスに翻弄されているという姿でしか出てこないけど、1860年(万延元年)の遣米使節としてアメリカを視察後、造船所の建設や陸海軍の近代化に努めた人物。
しかしその最期は...
判官贔屓ではなくて、有能な人物を有能に描いて欲しいなあと思うだけです。
裏話として面白いのは、古来より海外に遣わす人物の人選には、容貌秀麗な人物を選ぶ習わしがあったそうで、
所謂、「※但しイケメンに限る」ってことみたいです。
遣隋使小野妹子しかり、遣唐使藤原清河しかり。
で、遣米使節では、小栗上野介ではなく、新見正興(しんみまさおき)という人物がそれだそうです。
この派遣の手配をした駐日総領事ハリスは、この時の人選に不満で、唯一、小栗上野介は適任者だと言ったそうですが、能力に不足はある者がいても、この旅で学ぶことは色々あったようで、19歳で小栗上野介の従者といて使節団に加わった福島義言(ふくしまよしこと)が書き残した文がとても良いので、ちょっと長いけど書き写しておきます。
「アメリカは新興国であって、人の気質はことに温和であり、正直であるようだ。且つこの国は、高官の者であってもみだりに下人を侮ったり、或いは自己の権威を振るようなことはない。それ故に、平人は常に高官にへつらうこともなく、国は富み、民は安らかに生活してある。...
この度の日本の使節は七十人あまり、大抵はかれ(アメリカ人)を憤ったり、憎んだりする者である。しかし、その実際を知るに及んで、各々それが間違っていたことを知って悔やんでいる。...
ただ希望したいことは、かれの誠実を知っても、かれに魂を奪われないようにし、また、かれに対して仁義の道でもって交わることが大切であるということだ。そうすれば、かれも長くわれを尊敬し、日本を奪おうなどとの志を絶つであろう。兵法にいうところの、かれを知りわれを知るの術はまさにここにあると言えよう」
最期にブログ主の覚え書きとして、
- 『在NY日本国総領事館』の遣米使節団に関するサイト
- JTBのサイトから『日本使節団 アメリカ派遣から150年「記念写真展」 遣米使節団に湧き立つ150年前のニューヨーク』
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